翔海

ノッティングヒルの恋人の翔海のレビュー・感想・評価

ノッティングヒルの恋人(1999年製作の映画)
3.8
高嶺の花としがない本屋の店主には阻むものが多い恋。

ノッティングヒルで旅行誌の本屋を営むウィリアムは、ある日お店にどこかで見たことがある女性が訪れる。その女性はハリウッド女優のアナであった。偶然の出会いに喜んでいたウィリアムだったが、今度は道端の曲がり角でアナにぶつかりジュースをこぼしてしまった。詫びのつもりで家によんだウィリアムはそこでアナにキスをされる。それからと言うものウィリアムはアナのことを忘れられない。そんな彼にアナから電話が入っていた。近くのホテルで映画の取材があり、そこへウィリアムが行くと記者に間違われるがアナと再び会うことができた。次第に惹かれあってゆく二人であったが、身分の違う恋には試練がいくつもあった。

叶わぬ恋と分かっていた。でも、、
一般人のウィリアムはまさか自分がスクリーンに登場するような女優に恋をするなんて夢にも思っていなかったはず。まさか自分に振り向いてくれるなど夢でも信じ難い出来事である。それが現実に起こったら誰でも期待をしてしまうはず。けれど、相手はハリウッド女優。身分の違いやメディアと隣り合わせの仕事にすれ違ってゆく二人。信じては裏切られての日々に傷心してゆくウィリアム。もう傷つくのは辞めにしたいと彼女に別れを告げるが。

ヒュー・グラントが演じたウィリアムは冴えない男で女性に振り回される役。寛容な性格に甘いマスクなウィリアムが何故モテないのかが不思議に思ったほど。それがハリウッド女優と恋に落ちたら振り回される日々に。時に傷つき、街を歩くウィリアムの表情はどこか寂しげで報われて欲しいと思ってしまう。高嶺の花のジュリア・ロバーツはたしかに美しかったけれど、私にはあまりハマらなかった。スタイルと顔の良さは伝わったけど、それよりも役の性格があまり好きになれなかった。その理由は女性に振り回されて嫌いになったことがある経験から苦手意識があるのだと思う。私は単純な人間だから思わせぶりな態度に引っかかってしまうのである。だからこそ、ウィリアムの心情は共感できた。私だったら再び書店で会うところで振って終わっていただろう。そこで一歩踏み出せるかで人生はいくらでも変えることができることをこの作品から教えられた。
翔海

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