突然、主人公には自分の行動や感情を実況する女性のナレーションが聞こえ始めます。
面白いアイデアだとは思うんですが、どう決着をつけるつもりか観ている間は一抹の不安が・・・
結果的に不安は的中し、私としてはちょっと釈然としないラストでした。
では面白くなかったのかというと、観ている間は不安はありつつもけっこう楽しめました。
でもそれも出演者たちの魅力に負うところが大きかったように思います。
主役のウィル・ファレルには馴染みがないんですが、本作ではむしろ主役らしからぬ薄い存在感が役に合ってたんじゃないでしょうか。
そしてベテランのエマ・トンプソンとダスティン・ホフマンの絶対的な安定感はさすが(この二人はこの後『新しい人生のはじめかた』でもイイ感じのカップルを演じてました)。
主人公と徐々に距離が縮まるマギー・ジレンホールもとても魅力的。
実は私は1990年代から映画の長期ブランクに突入しており、ジレンホール姉弟の存在を最近まで知りませんでした。
弟のジェイクの方はもう5~6本見ましたが姉の方は意識して観たのは初めて。
ちょっとナンシー・アレン似?
今回は金さんの桜吹雪のような入れ墨も印象的でした。
監督は『ネバーランド』『007慰めの報酬』『ワールド・ウォーZ』『プーと大人になった僕』などどんなジャンルもそつなくこなすドイツ出身のマーク・フォスター。
名優たちの演技は堪能できたし演出も安定していたと思うんですが、脚本のせいか設定とストーリー展開に説得力が感じられなかったのが残念。
逆に言えば、話がイマイチでも名優が揃えばそこそこの作品になる例とも言えるかも。