ゆずた裕里

カウボーイ&エイリアンのゆずた裕里のレビュー・感想・評価

カウボーイ&エイリアン(2011年製作の映画)
1.0
007が大好きで、インディジョーンズが大好きで、マカロニウエスタンが大好きな自分にとっては特大級の地雷だった。


一切の誇張なく人生ワースト映画だと言い切れる。


この映画には西部に生きる男のカッコ良さも、
アッと驚くハチャメチャでぶっ飛んだ痛快なアイディアも、
エイリアンども相手にボンドとインディが無双しまくる爽快感も、
なにひとつない。

気の抜けたような締まらない展開。
やたらと残酷に味方が死んでいく陰鬱な場面。
銃弾が効かないはずのエイリアンどもに突然銃が効き始めるなど、整合性も爽快感もない、いいかげんなアクション。

見てるうちに『こんなジャンル映画観に来るような奴にはこの程度の内容で十分だろw』と、
製作陣に自分の好きなものがバカにされてるような気がして、失望が怒りに変わってくる。


ホラー映画でありがちなコケ脅しのビビらせ演出も出てくるけど、その手の演出を一本の映画で3回も使うな!
2回目でもうすでにウンザリしてるってのに、3回目のコケ脅しの出涸らし感はもう見てられなかった。観客をなめてんのか!

エンタメ西部劇には必須の早撃ちも出ない!ガトリングも出ない!奇抜な作戦もない!
気分が昂揚する音楽もない!

アメリカの西部劇でもマカロニウエスタンでも、制作者たちはたとえ予算が少なくても自分たちの考えるカッコいいもの、面白いもの、心に響くものを試行錯誤して生み出してきたし、その思いが完成した作品から伝わってくる。

だがこの映画からはそれらが一切感じられない。恥を知れ!


この映画は『クッソカッコいいダニエル・クレイグとハリソン・フォードのコンビがエイリアンどもを相手に無双する』だけで傑作になりえたのに、なんでそれができなかったんだ⁉︎
少し後に公開された『マグニフィセント・セブン』のほうが、SF要素もないのによっぽど遊び心たっぷりにエンタメしてるってどういうことだよ!


ちなみに監督は、宣伝インタビューで本作を『続・夕陽のガンマン』に例えていた。本気で西部劇を侮辱しているとさえ思ったし、監督がどんな人間なのかも分かった。
『アイアンマン』は好きだったが、これを映画館で見て以来、この監督の作品は一本も見ていない。どれだけ評判がよかろうとこれからも見る気はない。

そこまで思わせるほどの作品だった。
ゆずた裕里

ゆずた裕里