第三作目の敵は将軍の座を狙うが癇癪持ちゆえにそれが叶わぬ武家親子と、彼の一族と結託して今でいう上級国民に登りつめようとする商人一家。
これに橋の下の貧民街の人々の対立が描かれる。
狂四郎の魅力は悪い奴らをことごとく言いたい放題に煽り倒すところ。若い女が相手でも、野心まみれの悪党なら容赦なく『白豚』と言葉でぶった斬る。
花札を手裏剣にする暗殺者はなかなか遊び心がある。
やっぱり勧善懲悪の話は悪党に味があるから面白い。
この頃の時代劇はみんなそうだけど全体的に見せ方がうまい。
本作もシンプルな話ではあるけれどクライマックスの燃える橋での決闘など、暗闇と炎のコントラストが画面に映えて美しい。
安心して楽しめる娯楽作品です。