真っ黒こげ太郎

デルタ・フォースの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

デルタ・フォース(1985年製作の映画)
4.3
緊迫! 攻撃! 救出!

世界最強のコマンド部隊〈デルタ・フォース〉

(1時間近く経って)ついに、出撃!




アメリカ行きのジャンボジェット機が「新世界革命機構」を名乗るアラブ系テロリストにハイジャックされた!!!
リーダーのアブドル・ラファイ乗員乗客を乗せたままベイルートへ進路を変更させる。
更に途中でテロリストの仲間を10人近く確保し、一部の人質をアジトや収容所へ移す。

人質救出の為に特殊部隊デルタ・フォースが出撃!!!
デルタ・フォースを退役していたスコット・マッコイ少佐も電撃復帰し、救出作戦に参加するのだった。




凶悪なテロリスト軍団と陸軍特殊部隊デルタフォースの死闘を描いた、コマンド・アクション超大作。
ハリウッドのマーシャルアーツスターの伝説、チャック・ノリス氏の代表作の一つ。
「地獄のヒーロー」と同様にAmazonプライムで吹き替え収録版が配信されていたので鑑賞。


話としては「テロリスト軍団に捕まった人質を救出する為にデルタ・フォース出動する!」という…今となっては物凄くつあるパターンのエアジャック物×特殊部隊コマンド物なので、あまり深く描く必要はないだろう。w
実際、本作は余計なドラマ性は最低限まで排除し、序盤から速攻でハイジャックが発生、その後は最後まで”テロリストのハイジャック事件”と”それに立ち向かうデルタ・フォースの死闘”で最後まで描ききっている。

だが、以外にも前半1時間近くは、ハイジャックの緊迫した様子がリアルに描かれている。
どうやら、実際にデルタ・フォースが出動したハイジャック事件を元ネタにしたらしく(詳しい事は不明だが)、前半のハイジャック模様は徹底してリアルに描かれている。
鬼気迫るテロリスト達、人質にされ肉体的にも精神的にも疲弊してゆく乗客達、彼らの悲壮やそれぞれの人間としてのドラマも必要最低限ながらしっかり描かれおり、見ていて息が詰まりそうだ、ってか詰まる!

一応同時進行でデルタ・フォースが出撃するが、その間にも機内の鬼気迫る状況が描かれ、終始緊張感満点。
余りの息苦しさと絶望感に「はやくきてくれーーーーっ!!!」と、悟空を必死に呼ぶクリリンの如き心境になった。w

しかし、いざデルタ・フォースが現地に来ても、人質を取られているので中々手が出せず、結構やきもきさせてくる。
また、今作はオールキャスト物らしく、以外にもチャックさんは目立っていない。(自分は他のキャスト全然知らないけど…。)
最初からドンパチアクション大盛りを期待するとこの前半1時間の”溜め”で躓くかもしれない。


しかし、後半40分からはカーチェイスを皮切りに、激しいアクションが展開!!!
(と同時に、作品の偏差値が下がるw)
敵地へ武装ジープや武装バイクで乗り込んで、銃弾にロケランやミサイルの大盤振る舞い!!!
火薬の大爆破がこれでもかと展開され、建物も車もぶっ壊れまくり!!!
アクションシーンでは軽快でカッコいいデルタ・フォースのテーマ曲が流れ、激しいアクションシーンを楽しく盛り上げてくれる。
チャックさんやデルタ・フォースの面々の大暴れは痛快で、前半で溜まっていたフラストレーションも一気に晴れる。

チャックさんは言わずもがなだし、他の隊員達も負けじと大暴れ。
ぱっと見おじいちゃんな大佐もチャックさんに負けじとドンパチしまくって百発百中の腕前を披露!!!
ぶっちゃけ「ランボー」シリーズのトラウトマン大佐より頼りになりそうだ。w

前半はチャックさんのアクションはほぼ皆無なのだが、後半からは銃撃、格闘、武装バイク乗り回しで八面六臂の大活躍!!!
銃撃は百発百中の命中率で、格闘戦ではお得意のマーシャルアーツがしっかり炸裂!!!
またチャックさんが駆る、ミサイルとグレネード付きの武装バイクは痺れる程カッチョええ!!!!
敵地でカッコ良く乗り回し、ミサイルとグレネードをぶっ放しまくって敵を吹っ飛ばしまくる!!!最高!!!

カッコええ武装が付いた武骨な乗り物、人間一度は乗り回してみたいもんですな。
世の男子はCGビームのスーパーパワーなんぞよりこういう武器(ウェポン)に憧れるべし!!!w
(武装バイクは最近になってジェイソン・ステイサムさんが乗り回してましたけどね。ってかあの人結構な頻度で武装付きの乗り物に乗ってる事が多いなw)


そんな感じで全編アクション押しではないものの、緊迫のテロアクションから後半のコマンドアクションと、メリハリが効いて楽しめる本作。
(因みにラストはデルタ・フォース内で犠牲者が出たりと、決してハッピーなままでは終わらない。)

ただ、それでも前半の1時間以上ある”溜め”は流石に長いと思ったので、欲を言えばそこら辺をもっとテンポ良く処理して欲しかった所。
長尺でも楽しめるアクション映画はあるし、そこら辺はドラマの出来やアクションの密度にも寄るけど、尺も2時間近い長尺になってるんだからもっと切り詰められたと思うだけにそこら辺は残念。
(そしたら豪華キャストの意味が無くなってしまいそうだが、因みに俺は全然知らな(以下略))


何はともあれ、サスペンスにコマンドアクションにアクションヒーローの大暴れと、派手なハリウッドアクションとして十分楽しめました。
アクションオンリーな人にはちょっと辛いかもしれんが、それでもハリウッド大作アクションの醍醐味は十分味わえるので、是非!!!