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新生 トイレの花子さんのhorahukiのレビュー・感想・評価

新生 トイレの花子さん(1998年製作の映画)
3.8
トイレの花子さんに立ち向かう少女たちを描いた、学校の怪談系アイドルホラー。

なんだか凄く残念なジャケですが、なかなかの良作だと思います♫当時好きだった映画なので、かなり思い出補正入ってますが…(^_^;)

あらすじ…
中学に入学した主人公。その学校には、誰かがトイレの花子さんを見たら人が失踪するという噂があった。ある日、主人公はそれっぽいものを目撃してしまう。それが本当に花子さんなのか確かめるために霊感が強い(自称)の友人たちとこっくりさんをする。そのせいで、ガチでヤバいのを呼び出しちゃって…。

『リング』と同年というJホラー全盛の頃の作品でありながら、80年代チックな演出も同居する面白い作品。『リング』も本作も高橋洋が脚本を書いてるのですが、やはり凄い人だと再確認しました。今年も『霊的ボリシェヴィキ』で気を吐いてるし、さすがとしか言いようがないです。

ひと昔前の学校の雰囲気ってとても良いですよね。外観的には現代的で新しめな校舎だったとしても、どこかに暗部があるというか。例えば旧校舎が併設されてたり、学校内で変な噂のある場所があったり。そしてそういったハード面だけでなく、生徒を必要以上に縛り付ける非合理的な校則や高圧的な教師による抑圧もある。

そして、長時間閉鎖的な空間で同じ人たちと過ごさなければならないという独特な雰囲気。そういったものに対するある種の反抗だったり、逃避だったり、または人間関係の潤滑剤を求める心だったりが怖い話を生み、噂として広まっていくのかな〜なんて思いました。

本作の根柢にあるのも学校での人間関係。友達ができない寂しさから、嘘に嘘を重ねて作り上げた友人。でもそれは偽物の関係。本作は偽の関係しか築けなかった少女が真の友人を手にする物語。

面白いのは、その少女を主人公としていないところ。本作の主人公は一連の事件の当事者でありながら全てを見届ける立場。そして、とある重要なキャラの過去の罪・後悔と対比することでテーマを浮かび上がらせるための存在です。

本作の花子さんというのは「崩れゆく友達関係」や「友達関係に関する後悔」の象徴だし、「上辺だけの友人」を作らせるものでもある。だからこそ、友人たちと協力して花子さんに立ち向かうことは、それらをぶち壊して、真の友人関係・人間関係を築こうとする主人公たちの強い意志を象徴する行動になっている。そして本作も漫画的・アニメ的な演出があって、それがアホっぽくもあるのですが、それ以上に熱いんですよね(^-^)この子どもだまし感がたまらなく好き♫
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