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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔のbackpackerのレビュー・感想・評価

4.5
◾︎ロード・オブ・ザ・リング三部作第二章

【作品情報】
公開日   :2003年2月22日(日本)
作品時間  :179分
監督    :ピーター・ジャクソン
製作    :ピーター・ジャクソン、バリー・M・オズボーン、ティム・サンダース、フラン・ウォルシュ
脚本    :フラン・ウォルシュ、フィリパ・ボウエン、ピーター・ジャクソン
原作    :J・R・R・トールキン
音楽    :ハワード・ショア
出演    :イライジャ・ウッド、イアン・マッケラン、ヴィゴ・モーテンセン、ショーン・アスティン、オーランド・ブルーム、バーナード・ヒル、カール・アーバン、クリストファー・リー、アンディ・サーキス、ほか

【作品概要】
大ヒットした前作『旅の仲間』の続編。一つの指輪を葬るべく滅びの山へ向かうため集った旅の仲間は離散し、複数視点での物語が展開する。
アカデミー賞は6部門ノミネート、視覚効果と音響効果の2部門を受賞している。

本シリーズレビューで欠かせない話題は、日本配給を行った日本ヘラルド映画のこと。
ヘラルド史の最晩年映画となった本シリーズは、三部作合計21億円の超高額買付費用となったため、松竹・角川書店・電通・フジテレビ・ポニーキャニオンと共同で買い付けを行っている。
シリーズ邦題を『指輪物語』ではなく『ロード・オブ・ザ・リング』としたのは、当時の取締役営業本部長の坂上直行氏のこだわり。「漢字では大作感が出せない」という考えだったとのこと。
宣伝面は大成功し、三部作の興行収入はヘラルド史上最高の成績をあげた。
本シリーズは、日本ヘラルド映画という蝋燭の炎が、最後の最後に煌々と燃え上がる、まさに有終の美を飾る映画となったのであった。

完全に余談だが、前作のポスタービジュアルにて、「宇宙を変えた指輪のものがたり」という惹句を記したバージョンが有る。一体何を血迷ってこんな惹句にしてしまったのか甚だ疑問。


【作品感想】
「親が子を葬るなどあってはならん」

本作の大規模な合戦シーンは、ヘルム峡谷にある角笛城での戦いです。
アイゼンガルドの大軍勢を迎え撃つローハン&ロリアンのエルフの連合軍は、圧倒的多勢に無勢の籠城戦を強いられます。この角笛城の戦いが子供の頃から大好きで大好きでたまりません。
原作では、ギムリが角笛城の奥にある燦光洞に惚れ込み、最終的に領主になったりしてますが、たしかにこの洞窟の美しさは映画内で登場するどの洞窟よりも綺麗(自然の洞窟という意味で)ですので、ギムリにはたまらなかったんだろうな。
『ホビット』三部作公開中には、LEGOで商品かもされており、当時は本当に欲しくて欲しくて……。

本作は、カットされたシーン(スペシャル・エクステンデッド・エディションで追加されたシーン)の中に重要なところが多くあります。
例えば、エオウィンとアラゴルンの会話内で、アラゴルンの年齢が明らかにされます。彼はドゥーネダインという長命の一族(詳細は原作及び『シルマリルの物語』等参照ください)なのですが、これまで映画内では触れられておらず、サクッとカットされてしまったのが残念。
最も、メリーとピピンがファンゴルンの森の水を飲んだためにホビットの中でもかなりの"のっぽ"になっただとか、そういう話と同様に、物語の進行においては語られなくても問題ないので、仕方がないですね。

普段からスペシャル・エクステンデッド・エディションばかり見ているため、「ここを削っているのか」という新鮮さは非常に楽しく見ることができますので、やはり見比べは面白いなと実感しています。
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