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ビッグ・フィッシュのkomoのレビュー・感想・評価

ビッグ・フィッシュ(2003年製作の映画)
5.0
『尾ひれがつく』という言葉が存在するように、自分の話を盛りに盛ってまるで自分自身が大きな魚のような存在になってしまうエドワード。
エドワードは聴衆に『若い頃、巨大な魚を釣り上げたことがある』と話して回り人気者になっていますが、息子のウィルはそんな父の話を疑い、快く思うことができません。
エドワードは若き日に魚を釣り上げた(※この回想が本当に彼の身に起こったことなのかはわかりませんが)ことによって、その後を生きていく上での信念を見つけたのでしょう。
しかし、対するウィルはこの時点では『尾ひれのついた大きな魚(=父)』を捕まえきれずにいる状態にあり、その対比が面白いです。

エドワードほどの独創性がなかったとしても、人間が自分の過去を振り返る時、その思い出がいくらか美しく再生されることがあると思います。

エドワードの回想シーンは一体どこからどこまでが真実なのか、視聴者は判断することができませんが、美化・脚色された過去もすべて含めて、この映画の主人公であるエドワードという人物が存在しています。

最終シーンでは息子のウィルがようやく大きな魚を掴み上げ、その後に選択する行動が見所です。
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