ウィズネイルと僕との馬鹿馬鹿しく愛おしい日々。二人の田舎暮しに、全く憧れる要素がない辺りすごく好感度が高い。家はぼろく隣人は偏屈、食事は極度にまずそうだ。
ずっとこんな調子でのらりくらり二人のとぼけたやり取りを観ていると、すっかり牧歌的な映画だという気がしてしまうが、最後にそうか、と思う。わたしはずっと、永遠に失われたものを目撃していたんだ。時は1969年の終わり。新たな時代への切符を手にした人と、ここに留まることを選んだ人。この二人は、このあと二度と会うことはなかったような気がする。
ドラッグのディーラーのおネエが味わい深く、ウィズネイルたちがロンドンにいる間の楽しみは彼(彼女?)だった…