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マディソン郡の橋のクレセントのレビュー・感想・評価

マディソン郡の橋(1995年製作の映画)
4.0
彼女は苛立つように彼に言った。教えて。世界中の何人かにまた会うの?それともそのまま忘れる?何人かには手紙を書くとか?どうやっているわけ?どういう手順があるのか教えて。手順なんかあるものか。じゃあ何なの?僕次第だと?君は人妻で夫を捨てる気はない。僕は正直に話した。ええそうね。何も必要としない性癖は治りそうもないわね。僕の経験が分かるとでも? あなたが分かるの。こんなの貴方に何の意味があるの?出会いだけを楽しむ恐れ知らずの男に必要だったわけ?もうやめるんだ。貴方が去ったあと私は一生ここであれは何だったのか思い悩むのよ。貴方がどっかの主婦相手に台所で世界中のお友達の自慢話。私もそのうちの一人?どう言えばいい?僕はこういう自分を謝りはしない。間違いを犯してはいないさ。そう、何も悪いことはしていない。ただの傍観者よ。それだけ・・。君には頼らない。どうして?連れていけないから。だから何なの。はっきりして。もし僕のせいで誤解を招き、こんな出来事は僕の日常だと君に思わせたなら申し訳ないと思う。今回は違うの?僕は何故写真を撮るのかを考えてみた。僕はずっとここに向かっていたのだ。すべては君に会うためだった。明日ここを離れるとき一緒に行こう。でも来ないだろう。こんな恋をするなんて。やがてこの4日間でさえ、汚らしくて過ちのように思えてくるの。こんなこと思ってもみなかった。貴方を愛したいけどそのために過去の全てを捨てられないの・・。今決めなくてもいい。僕はあと2日ここにいようと思う。君の気持が変わるかもしれないから... わかったわ。その時はあなたが決めて。私には無理...

女が男を愛し始めたとき、かならず起こる言い争い。女は男の身勝手さを罵り、男はそれを煙に巻く。この映画は男の素性を明かさない。わかるのは残された子供たちに届いた一通の封筒。そして母親が大切に残した木箱に収められた真実の数々。はじめは許せなかった肉親の不義を丁寧に解き明かすことで、新しい一歩を踏み出していく成長した子供たちを描いている。今決めなくてもいい。そのうち気がかわるかも。だから決して放り出すなと。
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