バルバワ

フィールド・オブ・ドリームスのバルバワのレビュー・感想・評価

3.9
仕事に育児にあつ森に大忙しな私は通勤時間を利用してこっそりAmazon Primeを鑑賞する隠れアマプラン活動を始めました。最初はタブレットで映画を観ることに抵抗はありましたが、今ではまったく気にならなくなりました。

それでは早速隠れアマプラン鉄の三ヶ条いってみようと思います。

隠れアマプラン鉄の三ヶ条

其の一、通勤時間に鑑賞すべし

其の二、通信制限には注意すべし

其の三、歩きスマホはするべからず

…以上を遵守し、映画館解禁、ひいては嫁を監視の目を掻い潜り映画館にコソコソ足を運ぶ隠れシネシタン活動再開に向けて映画欲を高めていく、それが隠れアマプランだッ!

いやぁ、アメリカンドリーム。

あらすじは主人公レイが天の啓示を受けて自身のトウモロコシ畑を野球場にすると次から次へと不思議なことが!…的な感じです。

【気持ちはまだまだ若者】
今作は1989年に公開された映画でして、80年代のアメリカはロナルド・レーガンが"強いアメリカ"の復活を掲げ大統領になり、金持ちの税率を下げて貧困層への援助を削減しました。また60~70年代の若者は反抗や平等を唱っていましたが、80年代の若者は金やステイタスに執着するようになった…いわば金持ちこそ正義の時代だったようです。
作中もレイが野球場を作ると即座に差し押さえや土地の売却等の世知辛い話が舞い込んできます。それに対してレイは断固拒否するのです。それこそ理屈や権力で攻めてくる大人に反抗する60年代の若者のように。

【混ぜちゃえからのThis America!】
先程、レイを60年代の若者みたいと言いましたが、でも彼自身は家計や親としての責任よりも自分のしたいことを優先し、それが今作の真理に繋がっていきます。これこそレーガン大統領が掲げた"強いアメリカ"に於ける強い父権そのもののように思えました。
だから、レイというキャラクターも物語も家族の復活という80年代的なテーマと権力への反抗という60年代的なテーマがまざりあっていて、尚且つトウモロコシというアメリカを代表する穀物の畑を舞台に、野球という国民的スポーツに集約するというアメリカの美徳に繋がっているようでした。アメリカン・ニューシネマというより古き良きアメリカ的。

【映画ってステキ】
個人的に今作の好きなところはアメリカの歴史で決して恵まれた立ち位置にいない人々にスポットをあて、優しく包み込むところです。昨年公開された『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のように映画だからこそできる改変だと思います。やっぱり映画っていいなぁ。

【最後に】
まぁ、いくらなんでも家族がものわかり良すぎとは思いますが、暴力が描写されない映画を久しぶりに観て心が浄化されたし、最後のキャッチボールシーンは本当に素晴らしかったです。

うん、良い映画ですよ!←小並感
バルバワ

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