ぎー

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離のぎーのレビュー・感想・評価

2.5
「もし神が存在するのなら、人の心の中じゃない。人と人の間のわずかな空間にいる。この世に魔法があるなら、それは人が理解し合おうとする力のこと。たとえ理解できなくても、かまわないの。」
リンクレイター特集1作品目。
とにかくおしゃれな映画!
主人公のジェシーとセリーヌもおしゃれだし、風景や音楽、そして空気感もおしゃれ。
でも何よりもセリフがおしゃれすぎる。
だから、字幕じゃ物足りない映画なんだと思う。
日本人の僕でも共感できるので、欧米の人はかなり感傷的に感動できる映画なんだと思う。
ウィーンが舞台なんだけど、ありきたりなウィーンの風景ばかり出てこないところも憎らしい。
ヨーロッパに行きたくなった。
あんまりにもおしゃれだから、ミーハーで、映画らしい映画が好きな僕にはちょっと物足りなかったかな。

1番印象に残っているシーンは、冒頭の長距離列車の中で2人が初めて言葉を交わす場面。
あぁ、この映画は素敵な映画なんだな、って誰もが思える。
広い世界で全く違う国出身の年頃の2人が名前も知らないうちに、お互いの価値観に惹かれあう。
奇跡みたいな展開で、まさに運命的なラブロマンスだけど、そこにわざとらしさや安っぽさが一切ないのは流石!

2人の会話の中で、普通の人々の日常をテレビ番組にしてもつまらない、ってくだりがあったけど、この映画はそれに近い。
黄昏のウィーンを、深夜のウィーンを、そして夜明けのウィーンを2人で歩きながらとにかく会話をして、お互いを理解しようとする。
青春を通ってきた人なら多少違うかもしれないけど似たような経験はしたはず。
お洒落だし素敵なんだけど、映画を盛り上げる事件や変化はない。
山や谷が無い映画。
ハマる人には滅茶ハマると思うし、ハマらない人にはハマらないと思う。
素敵だとは思ったけど、自分にはハマらなかった。

◆備忘ストーリー
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/恋人までの距離
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