翔海

ビフォア・サンライズ 恋人までの距離の翔海のレビュー・感想・評価

4.0
夜が明けたらこの恋はいい思い出として終わってしまうの?

列車の中で喧嘩を始める夫婦から遠ざかるように席を移動したセリーヌは通路を挟んで隣の席のジェシーと何気無い会話を始める。初めて会ったとは思えないほど意気投合した二人はウィーンの街で列車から降りる。街を歩き回る中で二人は会話から似た価値観や人生観に惹かれ合い心の奥の気持ちに揺れる。フランスに住むセリーヌに対してジェシーはアメリカに住んでるため、この恋は結ばれるには難しい。夜が明けたら別れることからそれぞれに気持ちを伝え合う二人に待ち受ける最後とは。

100分があっという間と思うほどに二人の会話はロマンチックである。恋人になるまでの時間が一番楽しいってよく聞くけどそれに似た時間を過ごす二人は確かに恋人たちよりも楽しそうに思える。自らのことを知らない二人は質問をし合ったり、友人に電話をかけるシミュレーションで相手に思ってる気持ちを伝えるシーンは付き合いが短い時間を埋めるものがあり、だからこそ二人が結ばれて欲しいと思ってしまった。作品のタイトルが内容に繋がっているのにも関わらず、続きに繋がる作品もビフォアで繋げてるあたり粋ですね。

職場の先輩に勧められた作品ってこともあり少し概要も分かってたし、その先輩が好きと言っていたのが納得いく作品でした。その先輩は歳も一つしか変わらないのに知識や価値観、信念を強く持っていて尊敬している人なのでこの作品もピッタリだと思いました。私はこの作品や先輩のように人に影響を与えるほどの言葉も持っていないし信念もないです。ですが映画や人を通して知識や体験からこれから自分を形成していける人生にしたいと思っています。
翔海

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