ビリーワイルダー監督作
ダイアモンド、ワイルダー脚本コンビ
主演ジャックレモン
後期ワイルダーの傑作。
いやー、本作のレモンはどのワイルダー作品よりも不憫!不幸!可哀想!
結婚のために記者を辞めようとするレモンが上司のウォルターマッソーに犯罪者の死刑の取材を頼まれてしまう。
マッソーは何としてでもレモンを辞めさせたくないからあらゆる手段を使って結婚を妨害する。ラストのあの最上級のブラックなオチも素晴らしいが、その手前の駅で雇っておいた子持ちシングルマザーに言い寄られるところとかも最高に面白い。こういう細かいワザを目の当たりにしてダイアモンドとワイルダーコンビ脚本の腕の確かさ実感する。
ワイルダーらしい狭い部屋の中でバレるバレないのサスペンスフルでありドタバタコメディな展開も最高。
それでいてあからさまにならないように、死刑制度へのアンチなメッセージが込められていたり、警察や政治家の汚職までもそのコメディに昇華させている。
ただ、ウェルメイドのコメディ作品にしては全体的に非常に陰鬱。コメディの質もブラックに偏っているから見やすくはない。