見たで。
シン・仮面ライダーの話題でいっぱいになるツイッターのタイムラインの中に「シン・仮面ライダーを予習するなら実写版キューティーハニー」っていう呟きがちらほらあってどういう事なん?って思って調べてみたらこの映画って庵野監督の作品やったんですね。庵野監督が作るキューティーハニーってどんなんやろか？っていう興味と好奇心だけで鑑賞しました。
私は世代的に平成版の「キューティーハニーF」の世代ですけどこの映画ってどちらかと言えば昭和の頃にやってたアニメか原作漫画に近い感じなんでしょうか？まず第一に感じてしまったのが役者さんの演技に対する違和感。これは本作に限らず失敗するタイプの実写映画でありがちな事ですがアニメや漫画独自のセリフ回しやノリを生身の人間でやろうとすると凄くオーバーリアクションな演技になったりその逆に急にショボくなったりする。要するに大根演技丸出しになる。本作も例外ではなくて主人公のハニーを演じる佐藤江梨子さんの変身前の芝居なんてぶっちゃけアホの子にしか見えなくて見ていてイライラする「笑」彼女の演技だけではなく彼女と戦う敵怪人を演じる役者達と彼女の掛け合いがそれに拍車をかけてしまった感じがする。この作品を見た人達で酷評側に言ってしまう人達が一番ノイズに感じる部分はここだろう。
しかしこの映画を深掘りする要素はシン・ユニバースと同じで映画界屈指のオタク監督が俺の中でこのキャラクターの原点や本質はこういう物なんだと言うのを全力で描いて見せたと言う事にあるのだ。正直この映画自体は私の好みでは全くなかったけど大衆受けする手堅い作品作りは選ばず批判も恐れずに自分のやりたい事をとことんまで追求しチャレンジをする庵野監督のクリエイティブ魂を改めて感じれる作品でしたしキューティーハニーと言うあまり実写化向けとは言い難い作品でもそれを貫いた上でお話としてはある程度起承転結があり中途半端な終わりにしなかったのは個人的には全然嫌いじゃなかったですよ。フィルマークスの評価はあまり良くないが実写化の成功例が邦画界では極めて少ない中で以下に良い映画に仕上げるかと言うノウハウと実写化する事の意味を考えると言う点においては大変に意義がある面白い作品だったと思います。

はっきり言って本は全く面白くないです。
ですが、映像のアングルなどを筆頭に細部にわたり小ネタや演出にこだわる庵野秀明らしさは随所に垣間見えるので、庵野ファンなら観ておくべき映画。

庵野さんのエロティシズム全開なんだけど、性的嗜好を表に出しまくるのは恥ずかしくはないのだろうか？と思ってしまう。
心も裸になってるということなのかな。

この映画の最大の見どころは、新谷真弓。
彼氏彼女の事情という庵野アニメで声優デビューして、気に入られ実写で出演と相なった。

僕もこの人の独特な声が大好きで、出てくるだけでドキドキしちゃいます。

いまだに好きです。
フリクリ。

正月だから馬鹿映画を見るべし、見るべし、見るべし（ジャブは抉るように打つべし）。

というわけであの庵野が撮った馬鹿映画です。でも久々にみたら「シンウルトラマン」や「シン仮面ライダー」と同じ構造だよ（そのいい証座として人間巨大にしたらいいじゃんなんかがある。「シンウルトラマン」では長澤まさみだけどこっちでは京本政樹が巨大化する）。そう庵野は何も成長してないんだ。ただのオタクがただの馬鹿がただの阿呆が監督になったんだよ（褒めてます、念のため）。

で中身はこれでもかの乳尻太もも乳尻格闘乳尻特撮ですよ。ああ、馬鹿だ。ああああ馬鹿だ、ああ馬鹿だ。

よく考えたら洋画ではこのラインをチャリエンがしっかりやっている。日本だとサトエリだけでそこは少し残念だけど（一人より三人だろ！）それでもこれはこれでいいじゃないかという目線でついつい見てしまいます。たぶん庵野にとってストーリーなんかどうでもいいんだよ（それはシンウルトラマンやシン仮面ライダーもそうだけど）それよりも「ほらこのシーンすごくない」「ほらこの特撮あがるでしょ」「ほらこのチラリズム、はいテンションアップ」ってなるわけ。だからみんな目くじら立てて観ないこと。サトエリの演技がポンコツでもいいじゃない。ついでに市川実日子の演技もポンコツでいいじゃない。及川ミッチーがくるくる回ってもいじゃない。片桐はいりが金粉ショーでもいいじゃない。ココリコ田中の奥さんがテケテケだっていいじゃない。敵の光線を弾き返すときがそのまま緑山高校でもいいじゃない。いいじゃないいいじゃないいいじゃない。

もう最初の実写からオープニングのアニメでテンションクライマックスですよ。ええ言いますとも。俺はこの映画は好きだーって。ああもうシネフィルには戻れない。まともなレビューは書けないよ。でも好きなんだよ、こんなタイプの馬鹿映画が。

正月だから許してください。

※倖田未来の音楽がサイコーである。アニメ版の音楽も好きだけどパワパフのようなあのオープニングとともにぶちあがる。あれだけでいいやって思っている。

※及川ミッチーが隠れ主人公。顔を白黒に塗って歌っているだけでニヤニヤが止まらない。そんな感じなのに最後あっけなく終わるのもクールだ。

※原作の永井先生はタクシー運転手の役でカメオ出演。永井先生はいつもカメオ出演している気がする（悪魔の毒毒モンスターとかね）。

※さりげなく松尾スズキや岩松了なんかも出ている。ああこの映画はあの界隈の人ねって思って見ていた。