市川崑生誕100周年。ようやく市川崑タッチの作品が登場。これまで見た作品は、どうも市川作品というには特徴がなさ過ぎた。オープニング・タイトルから市川崑。そして細かいカットとパンの積み重ね、そして小林桂樹の軽妙な演技が相まったサラリーマンコメディ。後の「三等重役」「社長漫遊記」につながる作品。以前観た市川作品の「恋人」みたいだが、今風に言うと都会的なライトコメディ。杉葉子が今見ても美人。でも、「ラッキーさん」で検索するとSMAPのラッキーさんが出てくる。

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サラリーマンの悲喜こもごもを描いたコメディ。冒頭から映像が凝っていて、しゃれた雰囲気も良かった。
社長の替え玉を演じる斎藤達雄、マラソンで迷子になる堺左千夫、生意気な給仕など、楽しい。
桂樹と杉葉子の関係にやきもきする島崎雪子がかわいくてたまらん。島崎雪子のお汁粉のやけ食いの場面は、テンポも良くゲラゲラ笑った。

「演技者・小林桂樹」＠ラピュタ阿佐ヶ谷

東宝、モノクロ、コメディ、サラリーマンもの
監督、市川崑
出演者
小林桂樹、小泉博、島崎雪子、杉葉子
河村黎吉、斎藤達雄、沢村貞子、三條利喜江、千石規子
伊藤雄之助、小川虎之助、石黒達也、井上大助、城正彦、堺佐千夫

【内容】
周りにラッキーさんと呼ばれるサラリーマンの実情と悲哀みたいなお話

・ストーリー
小林桂樹は真面目で優秀なサラリーマン、この度若くして社長秘書になった
さらには元社長(小川虎之助)のお嬢さん(杉葉子)に気に入られて周囲にはラッキーさんと噂される(直接呼ばれるわけではない)

だが、小林桂樹はただのラッキーな男ではなかった
故郷の母を安心させるためにも出世しようと努力していたのだ

社畜となり社長(河村黎吉)にペコペコ&浮気(千石規子)のお手伝い
いい感じの同僚島崎雪子との約束をすっぽかしてでも杉葉子を優先させたり、、、

・ネタバレ
杉葉子は小林桂樹が好きだったが、積極的なアタックは結婚のためではなく青春の思い出づくりのためであった(小林桂樹と似た考え)
杉葉子はあっさりとお金持ちの息子との結婚を決める

その後、小林桂樹は社内の人事異動で四国？の支店？の所長？になることに(一応昇進らしい)
いい感じだった島崎雪子とはそのままお別れ(小泉博と映画鑑賞)
ラッキーさんは同僚たちに見送られて慌ただしく汽車で旅立つのであった、、、

【感想】
終盤がイマイチ
杉葉子があっさり他の人と結婚するのは「それもそうか」と、まだ納得だけど、その後がなんだかなぁって

何も遠くに行くラストにしなくてもいいじゃんね
小林桂樹も島崎雪子も可哀想、現状維持ならくっつけたかもしれないのにー

・良かったところ
オープニングのデザインが市川崑していてカッコいい

給仕の小僧(井上大助)が何でも知ってて、何かと仕切っていて面白い

島崎雪子が可愛い、泣きながらおしるこを爆食いするシーンが印象に残る

杉葉子が小林桂樹に「青春の一夜を美しく過ごしましょう」と言われてくるりと一回転するシーンが可愛い

社長役の河村黎吉のキャラクターが面白い、流石の名脇役してた