ーcoyolyー

箪笥<たんす>のーcoyolyーのレビュー・感想・評価

箪笥<たんす>(2003年製作の映画)
3.6
文明開化の音がする。『反則王』(2000年)があんな感じだったのに『箪笥』(2003年)はこれ。急激に垢抜けて夏休みに何があったの!?と噂される人みたいになってる。

何があったのってそれはもう2003年です。これ2003年作品。韓国映画のターニングポイントとなった年と昨日私が突き止めた2003年。
この映画、明らかにJホラーの影響受けてるんですけど、多分Jホラーが韓国で合法的に大量に見れるようになったのが2000年で、それで2000年以降こういうのを韓国で撮れるようになったんだと思う。
キム・ジウン監督は元々こういうの撮れる人なんですよ。でも観客を馬鹿にしてるのであろう上の方の人の理解が得られなくてああいうことになってたと思うんです。そんな中日本文化が流入してきてきっと韓国でもJホラームービーがヒットしたために生まれた、ああいうのなら客呼べるんじゃん、うちの国でも作ろうぜ、という機運に乗じて出来上がった映画のような気がしました。

日本文化開放の段階の歴史に関してはこの辺見て学習しました。
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/11/20-57.php
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/韓国での日本大衆文化の流入制限

要は98年まで日本文化を違法扱いしていた、鎖国していたところに突如大量にその文化が流入して触発された結果、今の韓国映画の土台が作られたということなんだと思います。2003年作品のこれはJホラーの影響下であることがよく分かるんだけど、韓国人はあっという間にそういうものを吸収し尽くして独自の文法で映画作り始めます。あの破竹の勢いは飢えた人々が腹を満たし喉を潤しメキメキと丈夫に健康になって行く過程だったのだな、それは確かに側から見ていても気持ち良いものがあって当然だわと納得した。
ーcoyolyー

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