Jaya

ゴースト・ドッグのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

ゴースト・ドッグ(1999年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

昔助けられたマフィアのルーイに忠誠を誓う殺し屋ゴースト・ドッグがそのルーイらの組織に狙われることになるお話。武士道とブラックカルチャーの組み合わせが面白い。鞘の向きが逆なのは曲解された武士像の演出だったり…?

単純にゴースト・ドッグがカッコいい。銃をしまうときのクリンクリンはちとあざとい気もしますが、悪くない。やってることは暗殺稼業なので、武士じゃなくて忍びの者とか浪人じゃん、という気がしなくもないんですが。

今や過ぎ去ったもの、白人と黒人、主と従などなど、いくつもの対立構造を組み込み、それを重ねながら違和感なくまとめ上げる力量が素晴らしい。舞台がアメリカな時点で不可避なテーマだったりするのかもしれません。

監督自身の異文化と過去、今の自分にないものへの憧憬が色濃く現れていて、それを諧謔をもって形にしているのが面白いです。レイモンはその最たる象徴で、ギリギリあざとくない感じ。

ゴースト・ドッグの一挙手一投足の撮影が素晴らしく、ある意味古典的なアクション映画に見事に肉付けされた、多くの観点を提供してくれる傑作でした。
Jaya

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