140字プロレス鶴見辰吾ジラ

ゴッドファーザーPART IIの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)
4.8
恐ろしく壮大な父と子の歴史

片や父の成り上がり
片や息子の転落

歴史的名作「ゴッドファーザー」の続編は、父と子の物語がカットバックで移り変わり、その対象的な運命を202分という上映時間に溶け込ませた、恐るべき熱量を放つ作品になった。

父は絶望的な状況で、孤独の身となるが、仲間を手に入れ、あの日あの場所での復讐劇に向かって成り上がる。

息子は仲間と権力を手に入れるが、それを守るために冷酷な面を剥き出しにし、暗黒面の住人として孤独化していく。

この2つの物語をカットバックさせながら描き続ける。
マフィア抗争より人間ドラマを濃厚に濃厚に混ぜ合わせ熱量に変えていく。
開始200分で訪れる言葉にできないズシリと腹にくる強烈なカタルシス。「ゴッドファーザー」1作目から描かれた世界観がさらなる熱量を得て、多くの時間共有を経て壮大なサーガとして形になる。

役者の演技力、舞台セットの拘り、製作陣の熱意がドサドサと降りかかってくる。

最初は3時間級の映画に集中力散漫となり退屈してしまうという不安を抱いていたが、その時間こそが物語の中の彼らと共有した偉大なる時間として刻まれる。

細部まで語り切ることが出来ないことに悔しさを感じるほど、登場人物とそのドラマにズシーンと熱のこもった打撃を食らわせられた大傑作。


ここであげるのも何ですが、アイドルアニメ「アイカツ」を視聴していたときに、最初のヒロインである星宮いちごから、次のヒロインである大空あかりにバトンをつなぎ、そしてヒロインの物語が交差するまでの根気強く描いた時間が生み出した膨大な熱量を少しばかり重ねてしまいました。
毛色は違いますので、適当でない気がしますが、やはりともに過ごした時間がその物語の息吹を雄大で荘厳なものにするのだと思ってしまいました。