フラハティ

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカのフラハティのレビュー・感想・評価

3.5
世界最悪のバンドがアメリカへ行く。


黒サングラス。
黒ジャケット。
黒トンガリヘア。
黒トンガリクツ。
さあいざアメリカへ!

アキ監督の持ち前のコメディセンスが炸裂。
このゆるさはこの監督じゃないとねぇ。
実はこの監督の初鑑賞がこの作品だったりする。
その時は作風もあまり知らず、あんまりノレなかったが、再び観ると良さがやっとわかる年齢になったよう。

独裁的にバンドをまとめるウラジミール。
バンドメンバーはひもじい毎日を送り、下手な演奏(作中では下手くそ扱い)でなんとか生活できるレベル。
そして強いられる玉ねぎ生活。
ついに怒りは爆発し、革命へ。

今まで労働者階級が主演に据えられていたが、本作ではそんなことはなくちょっと異質な作品ではあるかも。
従来通りのユーモアや優しさはあるので、ちょっと監督の作品を知ってからのほうが入り込みやすいような気がする。
バンド内での革命だったり、独裁的な主導者だったりはまさに世界の縮図である。
彼らの世界は社会主義であり、独裁政治である!
というのは考えすぎで、普通にこのノリを楽しめればそれでよしだと思う。笑


冒頭からいきなり命を落とすメンバーもいるし、髪の量が足りずリーゼントにできないからメンバーに入れない男など、ちょっとアホっぽい感じなのがいいよね。
セリフがあまりなく、メンバーたちも従順なペットみたいでかわいい。
自分たちの音楽にもそこまでこだわりはないし、注文にすぐに順応したりするっていう器用さ。
そして最後に奇跡は起こるのだ!
フラハティ

フラハティ