タケオ

ミザリーのタケオのレビュー・感想・評価

ミザリー(1990年製作の映画)
4.1
決してフィクションと割り切ることのできないリアリティと、今隣にいるのはもしかしたら•••なんていう不信感。

ホラーやスリラー映画には様々なジャンルがあるが、やはりサイコパスやストーカーといった身近な"人間"の狂気を描いた作品が1番恐ろしい。

本作に登場するアニー• ウィルクスという女は、サイコパスとストーカーという二つの性質を併せ持った正に最凶最悪の存在だ。

映画に登場する悪女と言われると「氷の微笑」のキャサリン•トラメルのようなファムファタールを想像する方も多いかもしれないが、アニー•ウィルクスには性的魅力などまるで皆無‼︎

ずんぐりむっくりの体でドスドスと動き回り、自らの絶対的な価値観を信じてやまず少しでも侵害しようものならヒステリックに喚き散らす‼︎‼︎

そのくせ行動力だけは人一倍あるもんだからいざとなれば暴力に留まらず殺人すら厭わない•••という絶対に私生活で関わり合いたくない人物だが、そんな彼女が大ファンの小説家ポールを自宅に連れてきてしまったんだから さぁ大変!

事故で両足が骨折してしまった彼を自宅療養(監禁)し、お礼として読ませてもらった最新作で主人公が病死したことに怒り狂い彼を心身ともに追い詰めていく‼︎

逃げようとした罰としてポールの両足をハンマーでへし折るシーンなんて、ポールを演じたジェームズ•カーンの苦痛に歪む表情も含めてトラウマ級の衝撃だ‼︎

アニーを演じたキャシー•ベイツは本作で第63回アカデミー賞主演女優賞を受賞、鑑賞者のみならず映画史にもその名を刻みつけたのである。

これぞ恐怖と苦痛の連べ打ち、鑑賞する際には歯の食いしばりすぎに注意が必要だ。
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