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メメントのabeeのネタバレレビュー・内容・結末

メメント(2000年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

【記憶は思いこみだ、記録じゃない】

事故の後遺症により短期間の記憶を失ってしまう男は、妻を殺した犯人に復讐することを誓った。犯人に繋がる手がかりを忘れることが無いように、タトゥーとして全身に刻みながら…。

クリストファー・ノーランの初期作品で名作と名高い本作。
プロットをオチから逆さまに進行させているという発想が斬新で、面白さを倍増させる。でも各プロットの中のストーリー進行は普通に進むのでストーリーをぶつ切りにして逆さまに繋げたみたいになって、観客を混乱させる。
混乱、違和感は物語を盛り上げるスパイス。
クリストファー・ノーランの発想が生み出したモンスター作品です。

時系列をぐちゃぐちゃにしてしまうっていうのはノーランで言えば「プレステージ」なんかがそういう時系列進行なんですけど、どんな作品でもオチから始めてプロローグで着地すればどんでん返しのストーリーになるって発想がぶっ飛んでるんですよね。

だから、実は本作は難解なようで他のノーラン作品に比べればかなりシンプルだし分かり易いと思います。

短い「記憶」を失っていく主人公が失った記憶の「記録」を元に真実を追いかけていく。
本作で試されるのは観ている私たちの記憶でもあるのです。
記憶の不安定さを主人公が語る場面が中盤にありますが、そのシーンはクライマックスを迎えるにあたって観客に問いかけているのです。
曖昧な記憶のままにラストまで観てしまうと「なんて難解な作品なんだ」とみんな頭を抱えてしまうのでしょうね。

ということで、偉そうに言ってますが私これ短期間に2回観てるのでww
記憶を補完してますからね。
この作品にむずかしさを感じた方は、レナードのようにメモを取ってみてはいかがでしょうかね⁇
それを逆さまに並べてみた時、見えなかった点と点を結ぶ糸が浮かび上がってくるかもしれませんよ⁇
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