YYamada

50/50 フィフティ・フィフティのYYamadaのレビュー・感想・評価

3.7
【ブロマンス映画のススメ】
~恋愛ではない男性同士の熱い関係

◆本作が示す「ブロマンス」:
 大病を患う友人に対し、
 普段着の態度で接する悪友。
 
◆作品のジャンル:
 ヒューマン・コメディ

〈見処〉
①若くして生死と向き合う、
 ヒューマン・コメディ
・『50/50 フィフティ・フィフティ』は2011年に製作されたコメディ・ドラマ映画。
・規則正しい生活を続けるラジオ局勤務はの27歳の青年アダム (ジョゼフ・ゴードン=レヴィット) は、5年生存率50%の脊髄癌の宣告を受け、ガールフレンドのレイチェル (ブライス・ダラス・ハワード)、親友のカイル (セス・ローゲン)や両親に病を告白。
・感情を表に出さないアダムは、過剰に優しく接し慰めてくる人たちを冷ややかに見ていたが、闘病生活を続けるにつれ、本当に愛情を持って接してくれる人が誰か選わかるようになってくる。
・次第に病状は悪化、アダムの精神状態は不安定な状態になってくるが、常に親身になってアドバイスをくれる臨床心理療法士キャサリン(アナ・ケンドリック)に、次第に心を開くようになってくる…
・本作は、暗い心境になりがちな題材ながら、コメディ基調で描かれるハートウォームな作品である。

②「ブロマンスの帝王」セス・ローゲン
・悪友カイルを演じるセス・ローゲンは、本作製作時に27歳。
・『ドニー・ダーコ』(2001)で映画デビューを果たしたローゲンは、『40歳の童貞男』(2005)、『無ケーカクの命中男/ノックトアップ』『スーパーバッド 童貞ウォーズ』(ともに2007)に連続で出演。ボーイズクラブの悪友を地でいくキャラクターにより、コメディアンのポジションを確立。
・また『スーパーバッド 童貞ウォーズ』や『Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!』では脚本も手掛け、才能を発揮。
・本作においては、友人のウィル・ライザーが若くして癌を患った際に、友人として傍に寄り添い、ともに克服した経験の脚本化を勧め、自らプロデューサーとして、自身とウィル・ライザーの実体験を映画化。
・なお、本作の主演を予定していたジェームズ・マカヴォイが突然出演出来なくなった際には、プロデューサーのセス・ローゲンがジョゼフ・ゴードン=レヴィットに突然の電話。撮影二日前にキャスト変更に繋がったのは、彼の力量によるもの。
・出演する映画で彼が演じるキャラクターや、製作者としての立ち位置を踏まえ、セス・ローゲンはまさに「ブロマンス映画のの帝王」といえるナイスガイである。

③結び…本作の見処は?
○: ドラマティックな事件や演出もなく、淡々と進むドラマによって、日常生活の有り難さを感じることが出来る。
○:「20代の大病」。本作は、同世代~30代の方が鑑賞した方が感じることが多いかも。
○: ラストの終わり方は、シンプルながら、未来を感じられる良い演出だと思う。
○:「美人ながらイヤな奴」ライス・ダラス・ハワードと「要領の悪い新人役」アナ・ケンドリックによる、他作で見られる、そのまんまの配役に安定感を感じる。
▲: ドラマティックな事件は起こらず、少々退屈で憂うつなシーンもあり。
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