マヒロ

地獄の門のマヒロのレビュー・感想・評価

地獄の門(1980年製作の映画)
2.0
田舎町“ダンウィッチ”にて、突然神父が自殺すると、地獄の門が開き次々と怪異が巻き起こる。霊視によりそれに気づいた霊媒師のメアリーは、記者のピーターとともに地図にも載っていないダンウィッチを探すことになる……というお話。

何かをきっかけに死者が蘇り人間達が蹂躙されていくという展開は『ビヨンド』と大体同じだが、話のデタラメ具合もまた大体同じだったりする。あらすじに書いたようなところまでは何となく分かるが、そこから先はもうショック描写を見せたいがためだけに存在する時間になっていて、特に何の説明もなく次々と人が死んでいく様を見せられていく。
死んだはずの神父の霊に見つめられたカップルの彼女が内臓をゲロゲロ吐いて、死んだと思ったら彼氏の頭を鷲掴みにして粉砕したり、ダンウィッチに到着した一行が部屋に入ると窓から大量の蛆虫が吹き込んできて部屋が蛆虫まみれになったりと、視覚的にはインパクト十分なグロテスク描写が連発するので、とにかく脳裏にこびりつくことは確か。徹底的に気持ち悪い、生臭さすら感じるような露悪的な描写に拘っていてらヌルい映画にはしないぞという気概はビンビンに感じる。
昔ホラー映画のムック本みたいなので見た記憶のある、頭にドリルを刺される男のシーンが出てきてオッと思ったが、挙動不審な青年が自分の娘に手を出したと勘違いしたオヤジに殺されるという人間同士の殺しの場面で、怪異とあんまり関係無さそうなのがまたテキトーで笑ってしまった。

ある意味サービス精神に溢れた映画ではあるが、ショック描写はある程度流れがあった上で出てくるからこそ活きてくるものだと思うので、あまりにも物語を語る気がないフルチ作品は個人的には刺さらないかもしれない。まだ2作しか観てないが。

(2022.197)
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