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ヴァン・ヘルシングのYYamadaのレビュー・感想・評価

ヴァン・ヘルシング(2004年製作の映画)
3.2
【ヴァンパイア映画のススメ】
ヴァン・ヘルシング (2004)

◆本作のポジショニング
 人類 ← (捕食) ←ヴァンパイア
  ↓        ↑
  ↓       (天敵)→狼男
(改造) →フランケンシュタイン       
〈見処〉
①吸血鬼の天敵、 V.ヘルシングが主役!
 ユニバーサル・ホラー大集合の
 アクション超大作!!
・『ヴァン・ヘルシング』は、2004年に製作されたアメリカ・ホラー。
・本作の舞台は1887年、トランシルバニアのフランケンシュタイン城。ドラキュラ伯爵の命令で怪物を創造したフランケンシュタイン博士は、ドラキュラが怪物を悪用しようとしたことに反発。彼に殺されてしまい、怪物は博士の遺体を抱き逃亡する。
・1年後。不死身のモンスターハンター、ヴァン・ヘルシングはバチカンから、トランシルバニアを支配するドラキュラの抹殺と、ドラキュラと400年間抗争を続けるヴァレリアス一族を保護するように命令を受け、修道僧カールと共にトランシルバニアに向かう…。
・本作は、1897年に刊行された「元祖」ヴァンパイア小説『ドラキュラ』に登場した初老の吸血鬼ハンター、エイブラハム・ヴァン・ヘルシングに『X-MEN』のヒュー・ジャックマンを据え、「不死身のモンスターハンター」と大胆に設定変更。新しいヒーローを産み出した。
・監督は製作のユニバーサル・スタジオと距離感が近い「ハムナプトラ」シリーズのスティーブン・ソマーズが努めている。

②ユニバーサル・ホラー
・本作はドラキュラ伯爵、狼男、フランケンシュタインの怪物、ジキルとハイドなど人気モンスターが一挙に登場。
・これらのキャラクターは、1920年代から50年代にかけてユニバーサル・スタジオが製作したホラー作品にて人気と知名度を得てきたもの。『ノートルダムのせむし男』『オペラの怪人』『魔人ドラキュラ』『フランケンシュタイン』『ミイラ再生』『透明人間』『狼男』『大アマゾンの半魚人』など、これらの作品群は「ユニバーサル・ホラー/モンスターズ」と総称される。
・本作は、ユニバーサル・モンスターズの3大怪物であるドラキュラ・フランケンシュタインの怪物・狼男が56年振りに一堂に会することでも話題になった。
・また、ヴァン・ヘルシングを主人公にシリーズ化する構想があったが、本作の興行不振にて頓挫。その後ユニバーサル・スタジオは改めて2017年にトム・クルーズ出演『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』を第1作目とした「ダーク・ユニバース」の構想を表明したが、興行面の失敗により、第二作『透明人間』を最後に企画は停止。
・1950年代にユニバーサルをトップ配給会社に押し上げた当時のキラーコンテンツも時代の流れには逆らえないようだ。

③結び…本作の見処は?
○: 往年の人気キャラクターが現代の特殊効果で甦る。ホラーキャラの「全部入り」作品として、見処は多い。
○: 本作公開の前年となる2003年から『アンダーワールド』シリーズに主演するケイト・ベッキンセールが本作でもヒロインを演じている。どんだけ吸血鬼と狼男が好きなの!?と思いを馳せて鑑賞したい。
○: アクションシーン多めのアトラクションムービーと割り切って鑑賞すれば、なかなか楽しめる。
▲: 19世紀を舞台にしているが、ゴシック・ホラーとしての妖艶さはない。
×: 登場キャラクターにあまり魅力を感じない。とくにドラキュラ伯爵にはカリスマ性も色気も感じ取れず、ミスキャストの気がする。
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