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チャーリーとチョコレート工場のYYamadaのレビュー・感想・評価

3.4
オリジナルを凌駕する作品は!?
【リメイク映画のススメ】

◆本作 (リメイク作品)
チャーリーとチョコレート工場 (2005)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・出演者: ジョニー・デップ
・監督: ティム・バートン
・製作費: $150,000,000
・興行収入: $474,968,763

◆オリジナル作品 (リメイク元)
夢のチョコレート工場 (1971)
・製作国: 🇺🇸アメリカ
・出演: ジーン・ワイルダー
・監督: メル・スチュアート
・製作費: $2,900,000
・興行収入: $4,000,000

〈リメイク作品のポイント〉
・進化した特殊視覚効果
・「スター俳優」登用による
 作品グレードの増強
・気鋭の監督による前衛的な演出
 
〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・ジョニー・デップ扮する怪しいチョコレート工場主ウィリー・ウォンカが、黄金のチケット入りのチョコレートを買った子供5人を工場見学にご招待。
・貧しいが純真な少年チャーリーはじめチケットを手に入れた5人の少年少女たちは、チョコレート工場に招かれて奇妙な体験をしていく…。

〈見処〉
①鬼才ティム・バートンがファンタジー
 名作をリメイクすると…!
・『チャーリーとチョコレート工場 』は、
2005年に製作されたファンタジー映画。
・本作は『シザーハンズ』の鬼才ティム・バートン監督が、ロアルド・ダールの児童小説「チョコレート工場の秘密」を原作とした、1971年製作の『夢のチョコレート工場』(メル・スチュワート監督)に次いで2度目の映画化作品。ストーリーの骨子は同等であるが、結末に至る流れは1971年製作のオリジナル作品と異なる脚色がなされ、
「異形への愛」を信条とするティム・バートンによって、本作のウィリー・ウォンカは屈折した人物像を描いている。
・本作は、日本でも大ヒット。劇場公開後には街中のスーパーにて、Nestlé社がライセンスを獲得した「ウォンカ・バー」(ウォンカ・チョコレート)が販売され、2008年1月には「 ゴールデンチケットキャンペーン」も実施されたそうだが、2019年8月をもってNestlé社による「ウォンカバー」は販売終了。

②ティム・バートン×ジョニー・デップ
・ヘレナ・ボナム=カーター、クリストファー・リー、マイケル・キートン、ダニー・デヴィートなど、同じ俳優を起用する事が多いティム・バートンにとって最大の盟友関係にあるジョニー・デップは、「バートンからの映画出演オファーは断らない」と公言するほどの仲。
・ティム・バートン監督作品(2021年現在で21本)のうち、2人の共作は計8作に及び、本作は5作目のタッグにあたる。
1️⃣シザーハンズ (1990)
2⃣エド・ウッド (1994)
3⃣スリーピー・ホロウ (1999)
4⃣ティム・バートンのコープスブライド
 (2005)
5⃣チャーリーとチョコレート工場 (2005)
6⃣スゥイーニー・トッド フリート街の
  悪魔の理髪師 (2007)
7⃣アリス・イン・ワンダーランド (2010)
8⃣ダーク・シャドウ (2012)

③結び…本作の見処は?
○: 「大人も楽しめるファンタジー」を得意とするティム・バートン作品らしく、本作も屈折した人物による「異形の愛」が描かれている。
○: 『2001年宇宙の旅』『サタデー・ナイト・フィーバー』『サイコ』など多数の名作オマージュシーンが楽しい。
▲: いま見るとPS4並みのCG資格効果に時代を感じる。舞台セットもオリジナル作品の規模でも十分。1.5億ドルに及ぶ高額な製作費が必要とは思えない。
×: オリジナル作品からミュージカル要素を廃し、物語の中心を子供たちから屈折してウィリー・ウォンカとしたことから示唆に富む描写が消え失せ、大人が子供の模範となっていない。

〈リメイク作品の判定〉オリジナル ○
演出    : オリジナル ○
配役    : オリジナル ○
特殊効果  : オリジナル ○
ストーリー : オリジナル ○

・無理に「大人が楽しめるファンタジー」にしなくても良かった作品。壮大なセットも、野外ロケを多用したオリジナルのほうが優れているシーンもあり、コストをかけすぎも気になる。
・スター俳優ジョニー・デップの見せ場を作るために、オリジナルの良い点も逸している作品ながら、デップのマネーメイキング力が発揮された点では、大成功のリメイク企画であったはず。
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