ねこ無双

モルギアナのねこ無双のレビュー・感想・評価

モルギアナ(1972年製作の映画)
3.8
チェコのゴシックドラマ。
姉の鬼気迫る表情や流れる音楽、演出などからホラー味も漂う。

打楽器とオーケストラ 不気味な雰囲気
オープニングは死去した父の埋葬シーンから。
ヴィクトリアとクララは二人姉妹。姉が闇なら妹は光。
妹は社交的でいつも周りに人が絶えず、男性からもモテモテ。
そして父の遺産は妹へ…。 

激しく嫉妬する姉ヴィクトリアは、妹を陥れようと企らみ、毒の入った小瓶を忍ばせる。
画面は終始グレイッシュでダークトーン。
白昼夢など幻想的な表現もあり。

モルギアナというタイトルはシャム猫ちゃんの名前から。お姉さんが飼ってます。

薔薇だらけの華やかな庭園と豪奢な屋敷。
レースや花を多用した貴婦人の美麗なドレスや帽子など…この映画は衣装や美術が素晴らしいです。メイクもゴスっぽいというか…特徴的。
妹クララの白薔薇のドレスが中でも可憐で美しい。

とあるページでこれを火サス的カルト・シュールレアル怪奇映画と紹介されてて…音楽がもろ火サスを連想させるんですよ!びっくりするくらい。(もちろん火サスの方が後)
姉の企みは成功するのか?姉がほんとに嫌なやつなので、この企みは成功してほしくない…と思いつつも姉目線で物語は進行するので、いつどうなる?とドキドキ。

このお姉さんが後家さんみたいな雰囲気でいつもイライラしてて…。
気に入らないメイドの頭に影からでっかい石投げたり、毒の効果確かめるためにメイドの犬の水皿にたらりしたり…妹の恋人にせまったり…となかなかクレイジー。

そして、待って待って…。
毒々しい姉、清らかな妹…なんと同一人物が演じていたことを後で知る。
メイクや髪型、ドレスと表情でこんなに変わる?というか私が鈍すぎ?