R

フェイズ IV/戦慄!昆虫パニックのRのレビュー・感想・評価

3.8
アリンコが人間より優れた知性を持って、人間に襲いかかり始めるというストーリーで、モンスターパニックアクションかと思いきや、ものすごジワジワとスローかつローテンションに展開するめちゃめちゃ変な映画だった。なんかもう監督のセンスでスタッフの技術を駆使して奇妙な世界を創出してやろうと、そのためだけに作った感じがして、そういうとこ好き。冒頭数分かけて、そんなアップ見たことねーよってくらいどアップのアリを延々と見せられるから、虫嫌いは見てはいけない。感動的なのは、どのアリもちゃんとどういう風に演じるべきかを指導された上で演技をしているように見えるところ。ほんまどーやったんやろ。表情が見えてきそうなくらい。しかも、このアリンコたち、ただ闇雲に襲いかかるんじゃなくて、知性を働かせて、人間をジリジリ追い詰めていくように苦しめるのがすごく不気味。最終的には、あぁ、人間はもはや、アリンコに征服されてしまうのだと、感慨深い気持ちになるくらい、終末的な雰囲気を醸し出していた。とにかく不穏な映像と音楽の、たまらなくいいムードをまったりと楽しんだ感じだった。ほんと、変な映画だったわ。
R

R