horahuki

バンパイア・ハプニング/噛みついちゃってごめんなさいのhorahukiのレビュー・感想・評価

3.3
「4.8」の名誉!

ハリウッドからトランシルバニアの古城に帰ってきた人気女優ベティ。「棺だけは決して開けるな!」と城の執事に忠告されたら当然開けるわけで、中から出てきたのは自分と瓜二つな吸血鬼!その後、ベティと恋仲になった男が吸血鬼をベティだと勘違いしたことから巻き起こるドタバタアホコメディ。

ジャケ画像からだいたいの雰囲気は想像できると思うけど、「ロッテントマト100%」とかではなく、真ん中チョイ右あたりに「IMDb4.8」という不名誉なスコアをわざわざ☆でかたどってまで宣伝していく斬新なスタイルに感服!4.8をつけられるべき映画であることに誇りを持っている清々しさよ🤣ちなみに今でもIMDbは4.8です笑

こんなの誰が監督してるの?って話だけど、『回転』『エレファントマン』『デューン/砂の惑星』等の撮影監督であり、『グローリー』でアカデミー撮影賞を受賞したフレディフランシス。ハマーやアミカスでも傑作ホラーを連発した名匠で、私も好きな監督。振り幅が凄い!!

本作はポランスキー『吸血鬼』をオマージュしたバンパイアコメディで、『吸血鬼』でクロロック伯爵を演じたファーディメインが本作では(アホな)ドラキュラ伯爵を演じている。同じポランスキー映画でも「ローズマリーの赤ちゃんが食べたい」とか言ったり、自分のことを「クリストファーと呼べ!」とか言い出す『吸血鬼ドラキュラ』感だったりと雑なパロディを連発していくのが楽しい。ベティと吸血鬼で同一人物の二面性を体現させるのは恐らくバーヴァ『血ぬられた墓標』へのオマージュ。

冒頭、トランシルバニアに向かう飛行機内の大画面でポルノ映画が流れてる時点で相当にイカれた世界なのは伝わるのだけど、乗ってる子どもたちが「成人向け映画は初めてよ」とか言って嬉しそうに見てるのも最高だった🤣

復活したのはあらゆる者を誘惑しまくった魔女として恐れられた吸血鬼で、城の執事は必死こいて退治しようとするんだけど、主人公ベティと全く区別がつかない…。吸血鬼は黒髪でベティは金髪なんだけど、ベティが黒髪、吸血鬼が金髪のカツラをそれぞれ付けて行動し始めるもんだから、見極めるのが無理ゲー。ベティの彼氏とヤッてるとこを覗き見して、「こいつは血を吸わずにセックスしてるから、あっちにいるのが吸血鬼だ!」とかザルな判断で退治にかかるんだけど、残念ながら逆という…。執事さんが、顔だけ鎧という無課金装備みたいなのつけてるのも笑える😂

しかも何故か吸血鬼の城のお向かいさんが神学校。情欲を捨てたはずの真面目な見習い僧を誘惑して速攻で情欲に屈服させる吸血鬼さんは流石評判通りのお手並み。勿論そのまま吸血されて殺されるんだけど、葬式で「この男は誘惑と戦い、決して屈服することのない尊敬すべき男だった…」とか何とか神父さんが演説してんのがサイコーだった!完全敗北してたけど🤣こういうアホなの好き♫
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