ガートルード／ゲアトルーズのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

夫グスタフと前の恋人ガブリエルと若いエルランがゲアトルーズに翻弄されるお話。ゲアトルーズの配役の丁度良さが凄い。老人のメイクも全然違和感がない。

人々の視線が全く合わないのが面白かったです。合っているように見えてもカットバック。それが示すように、全く噛み合わない会話。愛と仕事、男と女についてうんたらかんたら喋ってますが、要はそれぞれ自分の主張を言うだけで全く折れないんだから噛み合う筈もなく。

長回しを多用することで逆に会話劇を保たせていて素晴らしかったですが、如何せん会話の中身が本当につまらない…。

相互の無理解はよく描かれていて、時折お互いを表現する言葉などは的確で、演出の意図はよく伝わるのですが、それにしたってブルジョワの痴話喧嘩の範疇。

あからさまな進歩的観念と、旧来性を脱却し得ない感じが上手く統一されていないようで、端的に説教臭かったです。

技量が素晴らしく見応えがありましたが退屈といえば退屈極まりなく、自分の生命力が無くなってきたら見方も変わるかも、という作品でした。