気を照らないシンプルな物語なのに、心が揺さぶられるんだよなぁ…
アスペルガー症候群を患うイスラム教徒の青年ハーンは母の死後、弟が暮らすアメリカへと移住する。
そこでヒンドゥー教徒のシングルマザー
マンディラと出会ったハーンは、彼女と結婚し幸せな暮らしを手に入れる。
ところが、9・11事件によって彼らを取り巻く状況は一変、イスラム教徒であることが原因で愛を失ったハーンは、ある決意を胸にアメリカ横断の旅に出る…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
涙が止まらなかったなぁ…
アスペルガー症候群を患っているものの
母親の真っ直ぐな教えを忠実に守っているハーンは、風変わりなところはあるものの誠実な男だ。
アメリカに移住し、そこで知り合ったシングルマザーのマンディラに恋をし、結婚したハーン。マンディラの一人息子サミールとの関係も良好で幸せな日々を送っていたが、9・11事件以降、その生活は激変する。
事件を起こした犯人がイスラム教徒であった事から、事あるごとに白い目で見られる様になる2人。
そしてその事は息子サミールにも影響が
サミールの親友リースの父親がアフガニスタンで取材中に殺されてしまう。
その事でリースはサミールを遠ざけるようになる。
そして事件は起こった
リースとサミールが言い争いになった時
それを取り巻きで見ていたクラスメイトらにサミールは暴行を受け帰らぬ人に…
サミールを溺愛していたマンディラの悲しみは深く、ハーンに
"私達が殺した"
"あなたと結婚しなければ良かった"
あなたの名前のせいでサミールは死んだのよ"
"あなたの顔は見たくない"
"出ていって"と
キツイ言葉を投げ掛ける。
更に
"アメリカの大統領に言ってよ
私の名前はハーン
テロリストじゃない"ってハーンに言う
勿論、それはマンディラの本心ではない
サミールを失った悲しみ、自分達に対する怒りから、ぽろっと出てしまった言葉だった。
しかし、それを間にとったハーンは、その言葉を大統領に伝える旅に出る。
ハーンにとってマンディラは大切な人。
ハーンは常にこう思っている
"いろんなことが怖い僕だけど、君を失う事ほど怖いことはない"と
その思いに涙が止まらなかった…
宗教によって、その教徒が迫害されるということは世界中どこでも起こり得る。ハーンの母親がハーンにこんな事を話すシーンがある。
絵を使い、ハーンにも解るようにイスラム教とヒンドゥー教の違いを教える。
その話を聞いたハーンは
"両方似ている"と母親に答える
母親は、
"この世にいる人間は2種類だけ
よいことをするいい人と悪いことをする悪い人
人間の違いはそれだけ、他は何も違わない"と教える。
同じ宗教を信仰している人でも、各おのおの解釈により、いい意味で取ったり、
悪い意味で取ったりするって事を言いたかったんだろう。
多分、この事がこの作品で言いたかったんじゃないかなって思ったなぁ…
因みにハーンを演じているシャー・ルク
・カーンはイスラム教で、奥さんはヒンドゥー教だそうです。
色々な事を考えさせられる作品だけど、
ラブストーリー物としてもいい作品だったかなぁ…
