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モンキー・ビジネスのHKのレビュー・感想・評価

モンキー・ビジネス(1952年製作の映画)
3.6
もともとマリリン・モンローは本作では脇役だと知っていましたから、むしろ思ったよりたくさん出ていてラッキーだと思ったくらいですが、このジャケ写を見てモンロー目当てで観た人はダマされたと思うかもしれません。

ハワード・ホークス監督の面白い映画なのに、こういうジャケ写にするとかえって「なんだ、モンロー主役じゃないじゃん」と観た人がマイナス・イメージを持ちそうで心配です。
『アスファルト・ジャングル』を観たときなんかは、モンローが出てるの知らなかったので、出てきたときはやたらトクした気分になったものですが。

ある化学薬品会社で若返りの薬の研究をしていたところ、実験用のチンパンジーがイタズラして薬を勝手に調合しウォーター・サーバーに入れてしまったことから起こるドタバタ騒動が描かれます。

ホークス監督作は西部劇ばかり観ていたので、スクリュー・ボール・コメディを観るのは『赤ちゃん教育』『ヒズ・ガール・フライデー』についで3本目。
主演は同じくケーリー・グラント(当時48歳)。『赤ちゃん~』ではたしか考古学者、『ヒズ・~』は新聞社の編集長、今回は化学者役です。
その奥さん役がジンジャー・ロジャーズ(当時41歳)。
モンロー(当時26歳)は同会社の社長秘書役です。

で、けっこう出ずっぱりだったモンローも素晴らしいんですが、実は本作で一番の演技賞モノはチンパンジー。
CGでも着ぐるみでもない本物のチンパンジーをよくぞここまで仕込んだものです。
手当たり次第に試験管やビーカーを取って薬を調合する様子なんて、可笑しいを通り越して感心して見入ってしまいました。
このチンパンジー、何か賞をあげてもイイくらい。それとも獲ってるのか?
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