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クラック!のRのレビュー・感想・評価

クラック!(1981年製作の映画)
4.6
すばらしい! 雪山で木こりが木を切り倒したところでタイトルがCRAC! その木で丁寧にロッキングチェアを作って、背もたれに顔を描いてやる。木こりはそれを彼女にプレゼントし、後に結婚。結婚パーティー、平和な結婚生活、妊娠、出産、子供の成長と旅立ち、と常に家族とともに時代を経てきたロッキングチェアもとうとう壊れてしまって、ついには捨てられる。さらに時代は過ぎ、近代文明の巨大な都市が築かれるが、とある男がそのロッキングチェアを発見する。柔らかい色鉛筆?のスケッチがそのまま動き出しているようなアニメーションがめちゃめちゃ目に心地よくて、全体的に音楽もすばらしく、見てて最高にいい気分になるんやけど、中盤で、ものすごく切ない場面がやってきたあと、おや、どうなるのか、やっぱ旧時代のものが文明にぶっ壊されて終わるのかな?と思ってたら、ストーリーはかなり意外なターンをきり、最後は、ことばを失ってしまうほど、すばらしかった。幸福な思い出を何でもないオブジェにまつわらせるという、あまりに人間的な感覚にジーンと来ると同時に、胸が苦しくなるほどのノスタルジアがあふれていた。たったの15分でこれほど豊かな内容を伝えられるとは。まさに奇跡の一作! これも事あるごとに見返したくなりそうなり。
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