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血の祝祭日のhorahukiのレビュー・感想・評価

血の祝祭日(1963年製作の映画)
3.0
イシュタル神を復活させるために、若い女を誘拐してぶっ殺し続けるサイコ野郎を描いた世界初のスプラッター。

初ルイスです!
世界初のスプラッターということで、映画の世界にゴア描写を持ち込むという、その後の映画業界に計り知れない影響を与えた、まさに金字塔。ルイスはその偉業から「ゴッドファーザーオブゴア」と呼ばれてるそうです。

あらすじ…
著名な宗教書の著者でケータリング業を経営してる主人公。主人公には知られざる裏の顔があり、暗黒の神イシュタルの復活の儀式を人知れず行なっていた。そのために若い女を殺害しイシュタルへの生贄としていたが…。

世界初のスプラッターだと考えると非常に出来が良いグロシーンの数々に拍手です。正直、血が飛び散るだけの演出ばかりで、後の作品と比べると大したことないだろうと思っていたのですが、内臓飛び出たり、舌引っこ抜いたりと世界初とは思えないグロアイデアが満載で驚きました。しかも私が見たDVDの発色がやたらと良くて、血を含めて色が鮮明だったのも嬉しい驚き。

ルイスは元々劇場経営したり、友人と一緒にエロ映画撮って稼いでいた人。当初はハリウッドではエロ映画が製作されていなかったらしいのですが、ハリウッドでも同じような作品が出てきたことで方向転換。そしてまだ誰もやっていないことをやろうとして取り掛かったのが本作。エロ→グロという、B級ホラーのお約束を体現したかのような存在です。

当時、初めて見るゴア描写に途中退出者が続出だったようですが興行的には大ヒット。当然批評家は無視。でも、当時の観客の身になって考えるとその衝撃の度合いは相当なものだったでしょうね。見てはいけないものを見てしまったような感覚だったのではないでしょうか。

ただ、面白いかと言われると正直それほど…と言った感じでした(^_^;)神の復活のための生贄として殺人を繰り返す主人公の狂気はそれなりに良かったのですが、凄く単調で退屈。ミステリ展開も酷い。カメラも構図もダサダサで素人レベルだし、『鮮血の美学』のように、それが良い効果を生んでいるかと言われるとそんなこともない。スプラッターの始祖という圧倒的偉業に比べると、内容的には微妙な作品でした。

実はホラージャンルの中でもスプラッターはそんなに好きじゃないんです。もちろん嫌いじゃないし好きは好きなんですけどね。直接的な恐怖描写よりも、静かに恐怖感を醸成させていく作品の方が好み。それもあってこのスコアです。
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