オシリー

アウトレイジのオシリーのレビュー・感想・評価

アウトレイジ(2010年製作の映画)
4.5
『アウトレイジ』
星4.5
一貫して美しさのための映画だと思いました。この映画でやっていることは徹底した暴力という行為の純粋化です。無駄を省かれ、「殺す」、「痛めつける」といったただひとつの目的で以ってなされた行為は暴力の持つ残虐性や生理的忌避感を越えてかくも美しい。言い換えると、この映画において暴力というものは、美しさを描き出すための手段でしかないと感じました。この映画には食事や睡眠、日常会話、ただ歩いているシーンなど、生活感を演出するシーンが執拗なまでに省かれていることに気付きました。その理由はやはり暴力というあるひとつの行為を映画の中で純粋化するのに不必要だからでしょう。その一貫した意図が、毎場面非常に洗練された画の中で展開されみるものを飽きさせることがありません。独特の間合いやジョークとシリアスは紙一重だと感じさせるシーンはコメディアンである北野武ならではの味わいだと思います。あと俳優さんの演技がそれぞれカッコよすぎてビビりました。
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