モクテズマ監督作品も観るの初めて!
ほんとは鮮血の女修道院が観たい…。
新奇な精神病療法について記事を書くように勧められた主人公は、知り合いのつてを頼りメイヤール博士が管理する精神病院を取材することに。
もや霞む森の中を馬車が抜けると、そこには病院がたたずんでいた。
フィルムの画質の悪さを相まって幻想的。
エドガー・アラン・ポーの一短編から成る作品で、
ここら辺の導入部、設定から『アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち』を思い出していたんだけど、どうやらアサイラムも同じ原作との事でした。
城のように入り組んだ建物を案内される主人公。
メイヤール博士はそこを王国と呼んだ。
思い思いに行動する患者たちで溢れかえる施設は、まるで混沌とした一つの世界だった。
地下牢はまるで迷宮のよう。
茶目っ気たっぷりで案内するメイヤール博士。
最初はどんな人物なのか押し図るのが難しいのだが、本性を明らかにしてく過程、狂人のような表情を浮かべる様子がとっても魅力的なキャラクター。
瞬く間に心を奪ったメイヤールの美しき姪ユージニーを助け出そうと動き出す主人公。
彼を絡め取ろうとするその巨大な王国には大きな秘密があったのだ。
エンタメ、ラブストーリーにも重きありと感じた『アサイラム』に比べるとより退廃的、怪奇、幻想的な色合いが濃く圧倒された。
中世の頃のようなゴシック満載。
美術もドレスもとっても麗しかった。
音楽隊の奏でる音楽はなかなかとち狂ってて、音楽隊自体も不気味な雰囲気。
鳥ダンスで迫ってくる人たちなんて演舞隊みたいでそこのシーンだけミュージカルっぽさもある。
狂ってるのが多勢の世界では、正常者の方が異端で反逆者なのでした。