茜

ア・ダーティ・シェイムの茜のレビュー・感想・評価

ア・ダーティ・シェイム(2004年製作の映画)
3.5
ジョン・ウォーターズ、マジでバカだろ(笑)
下ネタ苦手な人は確実に受け付けないであろう、超絶くだらないお下品映画。
私はこういうの好物なんでゲラゲラ笑いながら観てましたけど、それでも終盤辺りは流石に胸焼け気味に…。
でもやっぱりこの人の映画は、お下劣なんだけどとてつもないパワーがあっていいよね。

監督の故郷でもあるボルチモアを舞台に、色情狂の集うセックス教団と潔癖な住民団体との戦いを描いたコメディ。
主人公のシルビアは元々セックス嫌いだったのに、頭を強打した事により性格が一転しセックス中毒になってしまう主婦。
この役をトレイシー・ウルマンが演じているんですけど、元々この人の音楽はよく聴いていたので、まさかこんな映画で初めて演技をお目にかかれるとは思わなんだ…。
YouTubeで見たPVのお洒落な可愛らしいイメージしかなかったので、全然印象が違ってビックリした。

内容自体は下ネタだらけなものの、直接的なポルノ描写はなく表情や動きで想像させる形になっているので、なおさら俳優陣の理性ぶっ飛ばした演技に感心しちゃう。
決して美人ではないトレイシー・ウルマンの豹変ぶりも生々しくて面白かったし、娘役の女優さんもスイカよりデカい偽乳をつけて踊りまくるし、皆よくぞこんな役を引き受けてくれたもんだなー。
赤ちゃん化した警察官や3人組の仲良しホモ、食べ物ぶっかけフェチのおばさんや汚物フェチの男など教団のメンバーもぶっ飛んでるし、とにかく次々と下品な小ネタが飛び出してくるので終始息切れ状態。

最高にバカバカしくてアホらしい映画ではあるんだけど、ここまで突き抜けてると爽快だし妙な逞しさすら感じる。
性的なものに限らず、大っぴらに言えない趣味嗜好を持つ人への「開放のススメ」的な前向きメッセージを感じました。
茜