わかめ昆布

学校IIのわかめ昆布のレビュー・感想・評価

学校II(1996年製作の映画)
3.9
“浜崎あゆみ”に成る前のあゆ目当てで鑑賞。
オープニングから、若くてキラキラして可愛らしいあゆが喋るバックで、安室奈美恵の「Body feels EXIT」が流れていてエモすぎる。

作品に出てくる生徒も安室ちゃんが大好きで、アムロブームまっさかりなのだが、その後あゆも歌姫になり安室ちゃんと並ぶ存在になることまでこっちは知ってるからもう超エモいし奇跡?運命?

「私ね、ミュージシャンになるの。」本人そのまんまじゃん!ビックリした〜!
しかし主演の娘役なので出番は冒頭部分のみ‥

ストーリーとしては障害児教育について。
難しすぎるテーマで、重いと感じちゃいけないんだけれどリアルで突き刺さったな。
どういうモチベーションで見たらいいのか定まらなかった。

重度障害のつらさも軽度のつらさも、「ゆうやとたかし」というコンビによってどちらの葛藤も伝わってきた。
たかしが自分が他人と違うんだ、と社会を通してハッキリ理解してしまう描写が切ない。

アパレル業界の闇も見え隠れしてた。

しかし、主演の西田敏行演じる障害児学級の先生の安定感と落ち着き具合に救われた。
いちいち哲学的だし名言連発。
こんな先生がひとりずつ居たら世界平和。
裸足で雪の上を歩くシーンなども地味に凄い。

気球に乗った、ゆうやとたかしの和み具合で、大人が真面目、深刻に考えすぎても良くないのかもな、と肩の荷が降りる感じがあり新しい向き合い方を教えてもらった気がした。
ホッとしてこっちも思わず笑ってしまった。

行き詰まったときに、未知の世界を体験することって大切なのかも。

とにかく吉岡秀隆の等身大の演技は素晴らしい。
独特の緊張感。ピーンと張った糸のような空気を醸し出し、役が憑依しているかのようだった。
すごい俳優さんだなと感動。

痛々しいシーンもあるが、全ての人に見て欲しいなと思う作品です。
わかめ昆布

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