真っ黒こげ太郎

ラン・オブ・ザ・デッドの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

ラン・オブ・ザ・デッド(2010年製作の映画)
4.2
最近見た悪夢で襲われたゾンビは本作と同じぐらい元気でした。

当然噛まれました。 夢で良かった…。




イギリスの暗黒メガコーポのニュージェン社は肉体と精神の回復用新薬「RAK295」を開発。
「3万人に臨床実験したから安全!100人乗っても大丈夫!」と太鼓判を押してたが、案の定副作用が起き2万9999人がハイスピードゾンビ化!!!(ですよね~。w)
圧倒的な機動力と止まらない感染力で国中ゾンビパニックに!!

ニュージェン社内でもゾンビパニックで大混乱!!!
社長を含めた社員全員が全滅し、社内の汚れ仕事を請け負っていたコールも噛まれてしまう。
コールは科学者が死に際に呟いた「アンジェラ・ミルズ」という被験者の女性を探して、数少ない抑制剤を頼りに決死の捜索を開始する…。




素早いゾンビが溢れる町からの脱出やサバイバルを描いたゾンビ・パニック・ホラー。
最近、やたら素早いゾンビの悪夢を観て、本作を思い出したりしたので再鑑賞。


本作は何と言っても、ジャケ絵を見れば分かるようにゾンビが超元気!!
ノロノロゾンビと全力疾走ゾンビが二分化されつつある近年のゾンビ映画界。
「どうせゾンビ走らすなら、いっそこん位やった方がええやろ!!」と監督か制作陣が思ったからかどうかは知らんけど、今作のゾンビは兎に角元気に飛んで走って大暴走!!
ある意味、ノロノロゾンビを貫いた「ゾンビ大陸 アフリカン」とは真逆なスタンスと言えるだろう。w


そんな全力全開なゾンビまみれな本作ではあるが、肝心の内容は意外にも真面目でシリアスなゾンビサバイバル映画。
しかも、意外にも出来がいい!w

まぁ低予算映画故安い所もあるし、少々のダレもある。
緊張感やグロはまぁそこそこ。
アクションシーンはカメラワークで誤魔化してる感があるし、ゾンビのパルクールもそこまでしっかり描いてないので、ゾンビが飛び掛かりまくるおバカな映画を期待したらガッカリはするかも。

俺もゾンビが飛んでくると聞いてかなりバカな映画だと思ってた、でも、本作は無名な作品ながらかなり正統派なゾンビ映画だ。

この手のマイナーゾンビ映画だと、基本はエログロメインなしょうもない映画が多いが、偶に真面目にゾンビサバイバルを真正面から描いたタイプの映画が掘り出されることもあるが、本作もその部類だろう。
(他には「フォレスト・オブ・ザ・デッド」とか「バイオハザード・アイランド」とか。)


今作、サバイバルメインのドラマは意外にもしっかりしてるし、お話自体も「抗体持った人連れてゾンビ地獄から脱出」的な物凄くありがちな内容ながら中々面白く出来ている。

主人公の贖罪に、メイン恋人2人の人間関係、抗体を持った人物の選択や主人公と恋人の男の衝突、からの最後に託した選択…。

そんな感じで、人間ドラマとしては割とありがちながらキャラも人間関係もしっかりしており、面白く観れる。


ゾンビも超スピードでそこそこな頻度襲撃してくれるため、意外にもダレずに観れる。
アクションも普通目だが、ラストの展開はドラマも相まって超盛り上がるぞ!!!


ジャケの様なバカさはないが、丁寧なドラマに加えてゾンビ映画のツボもしっかり押さえた、中々の掘り出し物でした。

正統派なゾンビ映画好きなら是非ともオススメ。
ただバカな感じはないのでそういうの目当てな人は考えた方が良いかも。w