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パートナーズのRのレビュー・感想・評価

パートナーズ(1982年製作の映画)
4.5
仲良しのゲイボーイに勧められて全然期待せず見てみたら、これがなかなか、かなり面白かった! 本作が公開された1982年は、LAにおいてもまだまだ公然たるゲイ差別が残っていたようで、この映画自体がゲイへの偏見に満ちていると見ることもできようが、そもそもコメディってある程度そういうの抜きには成り立たないと思うので、硬いこと抜きで見るのがよし。ゲイ雑誌のヌードモデルが殺害された事件を調査するため、ゲイタウンに潜入すべく、ふたりの男が担当に充てられるところからストーリーが始まる。ひとりはガッチリ系ハンサムなヘテロ君、殺人課の刑事ベンスン。もう一人は、細身でおとなしく、気の弱そうな記録管理課のカーウィン。ベンスンはいかにもゲイ受けしそうな雰囲気なので、それで選ばれたんやろなぁと分かるが、なぜカーウィンが、って言うと、そう、彼はクローゼットゲイボーイなのです。けど、そこそこあからさまなので所長もそのことに気付いてて、ベンスンのゲイタウン潜入の入り口サポートとして選ばれる。ベンスンは何だかんだでふつーにホモフォビックやから、任務自体が嫌だし、カーウィンも嫌だし、ゲイタウン潜入も嫌、ゲイのフリするのも、カーウィンとカップルのフリするのも、嫌嫌嫌の嫌嫌づくし……だが、仲間であるはずの警察から差別を受けたり、いろんなゲイたちの人情に触れたり、何より心遣いの細やかなカーウィンと共同生活をするなかで、ベンスンの中の嫌悪感が消えていく。その一方で、カーウィンはどうやらベンスンに対して優しい気持ちが芽生えていくらしい。ベンスンを演じるのはライアンオニール、バリーリンドン以外では初めて見たけど、やっぱ演技あんまうまくないっぽい笑 けど胸丸出しの真っ赤なタンクトップやレザーファッションなどゲイゲイしい服を着て、ゲイタウンを戸惑いながら初体験するぎこちない様子は雰囲気にピッタリで面白い。カーウィンを演じるのはジョンハート、こっちは演技が素晴らしい! 今までずっとホントの自分を隠して生きてきたため自分をハッキリexpressできなくなってるとことか、ぶっきらぼうなベンスンをだんだん好きになってくのが細かい視線や言動の変化で見てとれるとことか、心が完全にレディーなとことか、見事というほかない演技で、これが素のこの人なんじゃないかってくらい! さすがです。あと、脇役で出てくるゲイメンたちの当時のファッションやムキムキボディーやバラエティ豊かな在り方なども見応え抜群。みんなそれぞれの色がありつつ、それぞれを排除し合わない、それがレインボーなんだね。けど、捜査自体は大変に難航、手がかりがつかめない。なのでベンスン自身が雑誌のヌードモデルをすることに。ほんで出会ったフォトグラファーがめちゃくちゃイケてるクールな女。彼女に心奪われるベンスン、嫉妬心をたぎらせながらも平静を装おうとするカーウィン。ベンスンと女がセックスしたあと、早朝、女がキッチンに入ってコーヒーを作ろうとすると、朝のコーヒーを作るのはアタシよ! と意地を見せるカーウィンが、健気で可笑しくて哀しくて、いいですねー! 前半ずっとコミカルだったのが、後半は結構シリアスなサスペンスになっていって、意外とハラハラ! 異色なバディものとしても楽しめるし、エンディングもめっちゃ楽しいし、すごくエンターテイニングな映画だと思いました!!! 個人的にはいろんな人にオススメしたい一作!!!
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