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マージン・コールのRのレビュー・感想・評価

マージン・コール(2011年製作の映画)
3.5
リーマンショック前日、とある証券会社でリストラが行われる。馘首を言い渡され、今すぐ私物をまとめて出て行ってくれと言われたオッさんが、若い弟子的存在の社員に、「さっきまで自分が取り組んでたこのデータを見てみてくれ」とUSBをわたす。リスク分析者であるその若社員がそのデータを解析すると、何と、サブプライム証券の価格が、まさに明日、確実に、恐ろしく暴落するということが判明。時間は真夜中ではあるが、彼は上司に連絡を取り、さらに上司からその上に上にとつながっていって、遂にはCEOを交えての大会議の一夜となる、ってストーリー。ストーリー的には、非常に面白くて、全編スリリングではあるんやけど、ところどころワザとらしいテレビドラマのような演出が気になる。冒頭でクビになった元上司が、実体のない証券の取引なんかじゃなくて、元々の自分の仕事であった橋作りをしておけば、こんだけ多くの人が時間をこんだけ合計で節約できて…と、延々と実数を出して管を巻くくだりは、まぁたしかにそうなんやけど、あまりにもドラマくさい、ワザとらしい、いかにも台詞ですーって感じのセリフだなーと思ったし、そう言えば、映像の雰囲気も映画的というよりはドラマ的。出演してるのがとんでもない大物俳優であるってことに助けられてる部分が大きいのではないかなと思った。まぁそれもそれで立派な面白さではあるのだが。ただ、それぞれの人物が口にする内容は、それがどういう趣旨のものであれ、なかなか考えさせられる。たとえば、あわよくばで投機してノリノリで稼ぎまくってるときは、どんどんバブルが膨れ上がってることに対してみんな喜ぶばかりなのに、それが破裂した途端、証券マンたちを一気に責めまくるなんて、そんなの偽善じゃないか?的なことゆうたり。確かにその通りである。そして、ストーリーは彼らの勤める会社がこのクライシスをいかにして乗り越えるか?を軸に展開していく。まぁだいたいどうなるかは、もはや事実として誰しもが知っていることですよね。うん、全体として、内容は興味深いが、演出やセリフがビミョー、という感じでした。
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