茜

ANOTHER アナザーの茜のレビュー・感想・評価

ANOTHER アナザー(2006年製作の映画)
4.0
白い世界と黒い世界。金髪の女と黒髪の女。
何が現実で何が夢なのか、はたまたどちらも現実なのか夢なのか。
不思議なお話ですけど自分はハマりました。

不妊治療に励む新妻スーザン(金髪)と死体処理場で働くカレン(黒髪)はお互いの夢の中に現れる存在で、ソーラ・バーチが一人二役を演じてます。
この二人の世界に共通して存在するのがナイト・ストーカーという連続殺人犯であり、病院ではスーザンが悪夢にうなされるのは不妊治療と殺人鬼への恐怖心によるものではないかと診断される。
しかしスーザンの世界とカレンの世界は徐々に近づき混ざり合って行く…観ているこちらも何が現実で何が夢なのか頭が混乱する。

オチを知った後に観ると、劇中に散りばめられた些細なシーンや人物の台詞なんかにハッとする。
初っ端に出て来る不気味な老婆や、スーザンの「心の暗い隅から罪を引っ張り出されて蒸し返される、永遠に攻められながら」という台詞も、また違った視点で受け止められる。
じっくり考察するのが好きな人には特にお薦め出来る内容かも。

ちょっとネタバレ的な話だけど。
鑑賞後改めて考えてみると、これはスーザン=カレンでもなくカレン=〇〇でもなく、スーザン=カレン=〇〇なのかなとも思えた。
繰り返し観て色々考えてみたくなる。
茜