2024年13本目
ロバートロッセン監督の遺作。
帰還兵のヴィンセントは、統合失調症患者のいる施設で働くことになる。そこで出会った魅惑的な女性リリス。ヴィンセントは、彼女の眼差しや感情表現に惹かれていくようになると、彼女に好意を抱いている施設の男に対しての嫉妬心を持つようになる。
また、職権濫用で散歩と題して2人で外出するようになる。馬に乗って槍で輪っかを取るという催しに参加する姿をリリスに見せるなど、ヴィンセントの男気自慢は目に見えて彼女に対する好意を表していく。
リリスの行動はどことなく男に誤解を持たせてしまうほど謎めいている。
施設の関係者や医者たちも、彼女に深入りすることの危険性をどことなく持っているようだ。
小さい子供たちに「キス」したり、「好きなんでしょ?」と問いてくる。
愛する母親を亡くし、そして好きだった女性が帰還してきたら結婚しているという境遇のヴィンセントにとってリリスは放っては置けない存在なのだ。
しかし、リリスは男性の欲望に屈しない強さがある。愛は支配的であってはならない。
誰かの欲を満たす"物"ではないのだから。