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マン・オブ・スティールのYYamadaのレビュー・感想・評価

マン・オブ・スティール(2013年製作の映画)
3.4
【DCエクステンデッド・ユニバース】
①マン・オブ・スティール(2013)

◆登場ヒーロー
 スーパーマン
◆ヴェラン:
 ゾッド将軍率いるクリプトン反乱軍
◆ミッション:
 クリプトン反乱軍から地球防衛

〈見処〉
①「スーパーヒーローの横綱」、
 初のリブート作品
・『マン・オブ・スティール』(=「鋼の男」)は、2013年に製作された『DCエクステンデッド・ユニバース』第1作。
・本作の舞台は科学文明が発達する惑星クリプトン。この惑星で数百年ぶりの自然出産で生まれたばかりのカル=エルは、両親により爆発寸前のクリプトンから宇宙船ポッドにて脱出。カル=エルを乗せたポッドは地球に到着、アメリカ・カンザス州のケント夫妻により、クラーク・ケントとして育てられる。
・超人的な力を持つクラーク青年(ヘンリー・カヴィル)は、彼を守ろうとして死んだ父・ジョナサン(ケビン・コスナー)の言葉に導かれて旅に出た際に、自分が爆発寸前の惑星クリプトンで生まれ、実の父親ジョー=エル(ラッセル・クロウ)から地球に送られたことを知る。
・自分の存在に葛藤するクラークだったが、クリプトン星唯一の生き残りを探し出そうとする軍最高司令官・ゾッド将軍と反乱軍が襲いかかる…。
・本作は「バットマン」「スパイダーマン」と並ぶアメリカンコミックキャラクターのトップ人気を誇る「スーパーマン」を題材にした6作目の作品。
・過去作品にあたるクリストファー・リーブ主演の『スーパーマンⅠ~IV』(1978~87年)と、その流れを汲んだブライアン・シンガー監督の『スーパーマン リターンズ』(2006)の5作品は、同一シリーズとして製作されていたが、『~リターンズ』の興行面の失敗や、2008年の『アイアンマン』以降、快進撃を続けるライバルコミック社の「マーベル・シネマティック・ユニバース」に一矢を報いるため「絶対に失敗は許されない作品」として製作されたのが本作である。

②ノーランとスナイダー
・絶対に失敗出来ないワーナーは、ユニバーサル映画が『ハルク』(2003)→『インクレディブル・ハルク』(2008)の短期リブートの成功に触発され、『ダークナイト・ライジング』(2012)製作中のクリストファー・ノーランとデヴィッド・S・ゴイヤーに「スーパーマン」リブートの製作・脚本を依頼。
・プロデューサーのノーランとワーナーは、スーパーマンにダークとリアリズムをもたらす監督として、ギレルモ・デル・トロ、ロバート・ゼメキス、ダンカン・ジョーンズ、マット・リーヴス、トニー・スコットらの監督候補の中から、『300 〈スリーハンドレッド〉』(2006)にて陰影の多いヴィジュアル作りに賞賛を受けていたザック・スナイダーに決定。
・音楽も「ダークナイト」をはじめとする多くのノーラン作品を手がけているハンス・ジマーが担当、最強の布陣により本作は製作された。

③結び…本作の見処は?
○: ヘンリー・カヴィルを主役に置いたキャスティングは素晴らしい。まさに適役。
○: ヒーローものとして、王道ストーリーが展開されながら「赤パンではないスーパーマン」は見事に現代風アレンジに成功。
○: エイミー・アダムス、マイケル・シャノン、ケビン・コスナー、ダイアン・レイン、ローレンス・フィッシュバーン、ラッセル・クロウ…俳優陣の豪華さはマーベルにも負けない。
○: 映画版スーパーマンでは、初めて、バットマンとの世界観が共有されている演出が確認出来る。
・終盤のビル内のシーンで「Keep calm and call Batman」と書かれたポスターが登場
・クライマックスのゾッド将軍との戦いのシーンで人工衛星に「W」(ウェイン産業)のロゴが確認出来る。
▲: 娯楽作品ながらコメディ要素なく、また『ダークナイト』シリーズに比べ、リアリズムにも欠けるどっち付かず作品。
▲: DCエクステンデッド・ユニバース1作目にして侵略破壊規模が大きすぎ。『アベンジャーズ』(2012)を超える被害では、地球がいくつあっても耐えられない。
▲: ジョン・ウィリアムズによるテーマはぜひカムバックして欲しい。
▲: 次作に繋がる仕掛けは、マーベルに比べて弱い。
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