鍋レモン

渇きの鍋レモンのレビュー・感想・評価

渇き(2009年製作の映画)
3.5
⚪概要とあらすじ
人体実験によってバンパイアになった牧師と人妻との禁断の情事を叙情的かつ暴力的に描くスリラー作品。

伝染病の人体実験で奇跡的に助かった神父のサンヒョン(ソン・ガンホ)だったが、そのせいでバンパイアとなった運命に苦しんでいた。そんなある日、サンヒョンは友人ガンウ(シン・ハギュン)に再会し、その妻テジュ(キム・オクビィン)と強く惹かれ合うようになる。愛欲におぼれる二人は共謀し、ガンウの殺害を企て...。

⚪キャッチコピーとセリフ
“この愛、許し給え-”

「自殺はサタンのための殉教なんだ」

⚪感想
『オールドボーイ』や『お嬢さん』、『荊棘の秘密』、『親切なクムジャさん』で有名なパク・チャヌク監督の作品 。
この監督の作品は好きなものが多い。

初めての世界観。
ユーモアがありつつ不気味で美しく独特な世界観。
ファンタジーのようでホラーのようでスリラーのようで少しのエロ。
主人公が神父なだけあり宗教も少し絡む。

日本映画やハリウッド映画にないジメジメっとしながら生々しい映像はなんでなんだろう。

韓国映画でヴァンパイアなのも驚きだけど、ソン・ガンホがヴァンパイア演じているのにも驚き。
顔は違うけどソン・ガンホとキム・ユンソクが私の中でごっちゃになってる。
それにしてもソン・ガンホが演じるヴァンパイアのサンヒョンかっこよすぎてしんどい。伝染病でポツポツできるけど普段色白で目が死んでて美しすぎる。
裸体シーンも割とあった。

ヒロインのテジュを演じるキム・オクビンは前半と後半で顔と表情が全く違っていてびっくりした。
小悪魔感が可愛い。

バンパイアになるとピーターパンレベルで空中を移動できちゃうのが笑う。
異常な力も身について首絞めシーンが割とあった。

韓国映画って歴史系が多めのイメージがあるけど『新感染 ファイナル・エクスプレス』でゾンビ系とか『プリースト 悪魔を葬るもの』の悪魔系とかあって意外と幅広いし、クオリティも高くて面白い。

少し内容をすっ飛ばしているというかカットしてしまっているのではないかと思うくらい急に展開が変わる。
理解できるレベルだけど「ん?」って思ったりするかな。
前半、中盤、後半とかなり映画の雰囲気というか物語の流れが変わっていて楽しめた。

飲むシーンが多くて観ていると喉が渇く。

ソン・ガンホなら普通に噛まれて死ねるけどヴァンパイアにされてもいい。



⚪以下ネタバレ



ガンウを2人が殺したあとガンウの幽霊が見えるの怖すぎたけど面白さもある。
水みたいなベットは楽しそうだけど棺桶に水パンパンで閉じ込められたり、セックス中に間にいるのは迷惑すぎる。殺したのが悪いけどね。

まばたきと手だけで知らせるガンウの母にハラハラドキドキ。
YESの高速まばたきは普通にギャグ。

伏線というか自殺の概念や自殺すると地獄行き的なセリフが複数回の登場し、それがラストの結果になるのがおしゃれ。
少し『コンスタンティン』を思い出した。

神父だったが故に少しの奥手というか人を殺すこと、性的欲求に抵抗のあるサンヒョンとバンパイアに生まれ変わり自由奔放になったテジュのちょっと変わった愛が最高。

ラストの地獄で会おうとかもうたまらない。
生き延びようとトランクに隠れるテジュ、トランクを海に投げちゃうサンヒョン、車の下に寝るテジュ、車を動かすサンヒョン。最後はサンヒョンの靴を履き燃えて灰になる。
キュンキュン。

⚪鑑賞
GYAO!で鑑賞(字幕)。
鍋レモン

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