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LOOPER/ルーパーのLudovicoMedのレビュー・感想・評価

LOOPER/ルーパー(2012年製作の映画)
3.1
タイムトラベル映画を描かれる上で必ず、現在いる通常の時間軸が一個か、平行して何個かの時間軸が存在し、パラレルに入って行くかの設定に分かれ、それぞれの映画の設定への抵抗や疑問などで賛否が分かれてくる。

審判の日を回避できないターミネーターやXデイを迎える12モンキーズ、2作目までの猿の惑星などが前者にはあり、結局は歴史を改変できないパターン。


もちろん本作は、がっつり後者なのですが、改変前の時間軸で起きた事と、現在進行形の物語を照らし合わせたストーリーラインをシームレスに描く手法を用いていて、これは非常に興味深い。
こうだと思ってたらこっちでした、みたいなツイスト演出には間違いないけど、タイムトラベルもので描かれる事で、変なご都合主義には見えないし、こういうアプローチはなかなか面白い。

特に過去の自分が敵から拷問を受け、それが現在の自分の体に支障をきたし、指がどんどん消えていくホラー顔負けのシーンには、ゾッとさせられた。

SFの物語の流れかと思ったら、中盤からヒューマンドラマにシフトチェンジされていく。

ラストの主人公の決断に、『憎しみ、復習といった感情が生み出す悲劇の連鎖=ループ』 に掛けたタイトルになっており、そここそが本質なんだと、納得させられた。


しかしこういう表面上では、納得させられる巧みな構図で撮ってはいるが、抜本的にこの映画で起きた全ての出来事が皆無に等しくなるほどの、超強引な力技なため、結局この映画で観てきた2時間はなんだったの?っていうツッコミ所が抑えられない。

全体通しても細かい矛盾や設定の粗がかなり気になった。
主演2人が同一人物に見えるか問題は、懸念していたほど酷くはなく、似せていく演技などかなり頑張ったほうだと思う。

相変わらずブルースウィリスのアスピリンの扱いは、世界一だった。
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