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アフター・アースのYYamadaのレビュー・感想・評価

アフター・アース(2013年製作の映画)
2.4
【クリソツ映画】比較鑑賞⑦

◆本作:
 『エリジウム』
◆クリソツな他作 (比較対象)
 『オブリビオン』『アフターアース』

〈クリソツ・ポイント〉
・荒廃した地球を棄てた人類の
 その後を描く
・ハリウッドトップ俳優主演の
「スター・システム映画」
・作品規模(制作費)は横並び
  エリジウム   $115,000,000
  オブリビオン  $120,000,000
  アフターアース  $130,000,000
・世界興業収入も横並び
  エリジウム   $286,140,700
  オブリビオン  $286,168,570
  アフターアース  $243,843,130
・わずか4ヶ月の間に北米公開
  エリジウム   2013年8月9日
  オブリビオン  2013年4月12日
  アフターアース  2013年5月31日

〈本作の見処〉
①主演: ウィル・スミス親子
・2025年、人類は自らの故郷である地球の自然環境を破壊してしまい、遠く離れた惑星ノヴァ・プライムに移住した。
・1000年後、惑星ノヴァ・プライムのレンジャー部隊の候補生である13歳のキタイ・レイジ(ジェイデン・スミス)と、その父で伝説のレンジャーである、最高司令官サイファ・レイジ(ウィル・スミス)の2人が乗った宇宙船は深刻なダメージにより、地球に墜落。
・致命的な怪我を負ったサイファに代わり、100km後方に墜落した救難信号の発信機を目指し、キタイは単身で危険な旅へ赴くが、1000年の間に地球は人類を抹殺するべく進化した動物達に支配されていた…
・本作はもともと元々はSFものではなく、人里離れた山奥で車が壊れた父子が救助を待つという物語の企画であったが、プロデューサーを兼務するウィル・スミスは高製作費の映画企画とするため、1000年後の世界を舞台とした話に変更したもの。
・ジェイデン・スミス扮するキタイが恐怖感を克服し、真のレンジャーに成長することを描く冒険映画である。

②低迷期のM・ナイト・シャマラン作品
・2000年代前半は、ハリウッドのスター監督であった、M・ナイト・シャマランであるが、『レディ・イン・ザ・ウォーター』(2006)、『ハプニング』(2008)、『エアベンダー』(2010)と失敗作を連発し、ゴールデンラズベリーの常連化しつつ低迷期に、プロデューサーのウィル・スミスは本作監督に彼を抜擢。
・過去の作品では、シャマランの監督、脚本作であることを全面にマーケティングがされていたが、本作では自身の露出を控え、作品製作に専念。自身のカメオ出演も本作では控えている。
・本作のシャマランは控えめで手堅い演出にて、監督の仕事を全うしているように見えるが、評論家の論評は「どこまで落ちようとも『バトルフィールド・アース』は常にその下にある」「大画面でのうぬぼれプロジェクト以外のなにものでもない」「大根役者、陳腐な脚本、そして、監督がM・ナイト・シャマランであったことがこのSF映画を大失敗作にした」と散々な云われよう。
・その責任の大多数はウィルスミスにあるように思われるが、本作でもゴールデンラズベリー6部門ノミネートは気の毒に他ならない。

③クリソツ作品と比較すると…
○: 見処のない脚本に対し、高額な制作費を集め、息子に主演させたウィル・スミスの豪腕プロデュース力。
▲: M・ナイト・シャマランの演出は手堅く思える。
×: 興行成績は『エリジウム』『オブリビオン』に近いレベルまで奮闘も、作品質は大きく劣る。
×: 作中の大部分は未開のジャングル。世紀末後の地球を舞台にする必要はあった??
×: 同じ親子共演作品でも『幸せのちから』のような良作でもなく、『ベスト・キッド』同様にプロデューサー・ウィル・スミスの自己満足だけが鼻につく。
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