Xavier

モリー先生との火曜日のXavierのレビュー・感想・評価

モリー先生との火曜日(1999年製作の映画)
5.0
人生のコーチが死ぬ前に教えてくれた、
いちばん大切なこと…
スポーツコラムニストとして活躍する
ミッチ・オルポムは、偶然テレビで大学時代の恩師モリー教授の姿を見る。
モリーは難病であるALSに侵されている事を、ミッチは知る。
仕事が忙しく多忙なミッチだが、何故かモリー先生の事が気になり、仕事もすっ飛ばし、16年振りにボストンに住むモリー先生に会いに行く。
そしてモリー先生の研究室に毎週火曜日に通っていた頃のように、モリー先生の家へと通うようになり、ミッチは自分が逃げていることと向き合うようになっていく…
ザックリ言うとストーリーはこんな感じ
この作品は、名優ジャック・レモンの遺作となった作品。
見終わった後に色々考えさせられる作品で、凄い良かった!
ミッチはスポーツコラムニストとして、成功、恋人のジャニーもおり、良い人生を送っている。
そんな中で、難病に侵されてはいるが、元気そうな恩師の姿をテレビで観る。
何故か頭から離れない…
何故だろう?
気がつくと仕事をすっぽかしボストン行きの飛行機の中に…
ミッチは、順調な生活を送っていたが
上手くいかない恋人との関係、何故この仕事をやっているのだろう?という疑問などが心に引っ掛かっていて、その答えを求めモリー先生を訪ねさせたんだと思う。

卒業しても、顔を出すと約束していたのに16年も会いにいかなかったミッチをモリー先生は優しく迎えた。
最初の訪問では、自分の事を話せなかったミッチ。大学時代、毎週火曜日に通っていた頃のように、家を訪問するようになったミッチはモリー先生に色んな事を話すようになっていく…

この作品、心に突き刺さる"いい言葉"がたくさんある。

"死に方さえ分ければ生き方が分かる"とか、歳を重ねることを恐れるミッチに対して

"どんな時に年を恐れるのか?
それは人生に意味がない時だ"と諭す。

いちばん印象的だったのはミッチがモリー先生に死について質問したときの答え

"肩に鳥がいると思い毎日聞くんだ
「死ぬ日は今日か?」
「準備はいいか?」
「悔いのない人生か?」
「望む人間になれたか?」と
死ぬ覚悟が出来ていれば人生が変わる
だから、毎日聞くんだ「今日か」と
肩に鳥がいれば大切なことを後回しにしない"と

深い言葉だった…

モリー先生はミッチの前では、そんな風に語り、死を恐れず軽やかに人生を送っているように見せているが、ホントは夜眠りにつくことが怖く、自分の死にも恐れを持っている。
そして、その姿をジャック・レモンが見事に演じている…

ミッチがモリー先生にこんな質問をぶつけるシーンがある

"もし誰かが魔法をかけ、1日健康な体で過ごせるとしたら、なにをします?"と問うミッチに対し、モリー先生は

"甘いパンと紅茶の朝食
午前中は水泳
ランチは友人を招待する
そして公園を散歩し友人たちと話し、
友情を確かめ会う
夕食は好きな物を食べ、ステキなパートナーと疲れるまでダンスを踊る
そして家に帰り眠る"と答える。

普通の日々こそ尊いものだと言いたかったんだろうなぁ…

この作品、テレビ映画で劇場では公開がなかったらしい。
もうちょっとモリー先生やミッチのバックボーンを深く描いて、劇場で観て観たいなぁ…
でもきっと号泣だろうなぁ…

"死で人生は途切れるが絆は切れない"

ホントに名言のいっぱい詰まった良い作品でした。

このレビューでいい作品だと伝わるといいかなぁ…
Xavier

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