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凶悪のBeSiのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
4.6
久々の邦画レビュー。白石和彌監督の作る映画は、衝撃性に富んだ内容や描写が多くあるイメージ。という事で「孤狼の血」に次いで2作目を鑑賞。1999年に実際に起きた"上申書殺人事件"を基にしたフィクション作品。まず称賛すべきは、俳優陣の見事な演技。取り憑かれたように事件の調査に没頭していく記者の精神が徐々に崩壊していく様を演じた山田孝之も、事件の首謀者である狂った"先生"を演じたリリー・フランキーも、元々"先生"を慕っていた暴力団幹部を演じたピエール瀧も、出演者全員が狂っていて"凶悪"だとこれでもかと言わんばかりに分からせてくる。もう本当に怖すぎる。そしておなじみ、監督の得意とするゴア描写、カメラワークは秀逸。やはり自然と俳優たちの表情や動きに見事にマッチさせ、嫌悪感を抱かせる。さすがは白石和彌といったところだろう。そして、日本でも未だにこういった事件が残っていると考えると恐ろしくてたまらない。園子温監督とはまた違った恐怖を味わわせてくれる。これは、白石和彌監督について知るうえで肝となってくる作品。いやぁ怖い...。
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