とりん

17歳のエンディングノートのとりんのレビュー・感想・評価

17歳のエンディングノート(2012年製作の映画)
3.4
2021年5本目

余命を宣告された17歳の少女が残りの人生を精いっぱい生きるためにTo Doリストを作成する。そこにはお酒を飲んだり、ドラッグをしたり、法を犯すような危険な内容も含まれていた。そんな時隣に住むアダムに恋をし、改めて自分の人生について考える。

102分とコンパクトな内容に収めているが、ストーリー的には結構薄味かな。
死ぬまでにしたいToDoリストというのはありがちだけど、少女視点というのも良いし、題材的にも申し分ないが、あまりのめり込めるような丁寧な作りではなかったかなと。
アダムと恋に落ちる様もあまり共感できないし、親友とは思い出捨てるくらいイヤになったのになんの前触れなしに仲直りしてたりするし、弱いなと感じる点は多々あった。
ガッツリ闘病ではなく、ちゃんと自分の人生に向き合って精いっぱい生きようとしているのはよかった。
それに闘病している本人が1番しっかりしていて、両親をはじめ、周りの気持ちが弱い。むしろ当人に励まされているという彼女自身が病気と向き合っている(目を逸らしているともいう)からこそ、強くあれるのかもしれない。

ダコタのこういう姿見るとやはり演技うまいなって思える。
他にもみんな良い演技していて、親友役でメイズ・ランナーでおなじみのカヤ・スゴデラーリオや恋に落ちる相手役のジェレミー・アーバインなど若手俳優陣が良かった。
注目すべきは弟役で名前は映画紹介にも載ってないが、彼の素直な物言いがすごく刺さった。特に最後のセリフとか持ってかれたなぁ。
アダムがかなり頼りなくて、結局少年にできることなんて一緒にいることくらいしかできないけど、苦しんでいる彼女の前で立ち尽くすだけはさすがになぁ。でもそのあとの名前を世界に残すというToDoのひとつとも言えることをかなでたのは挽回できたかなと思える。
やはりこういう系はグッときてしまうのだけれど、お涙とまではいかないかな。
音楽が良かったのも印象的だったかな。
とりん

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